今週のアクセス数1位のコラムは,デジカメのデータの保存にまつわる苦労を描いた記事でした。デジカメのデータに限らず,個人が所有するデジタルの資産が加速度的に増えるなか,データを長期にわたっていかに保存していくのかは今後大きな問題につながりかねません。Tech-On!では,日経エレクトロニクスの創刊1000号発行を記念して,同誌の過去記事の電子化を始めたのですが,下手をするとデジタル・データよりも紙の方が長生きするという結末が待ち受けているのかも。

 日経エレクトロニクスで,かつて「エターナル・ストレージ永久記憶媒体」という特集がありました注)。その記事の結論は,「『データを永続的に保存する』『どのような機器でもデータをアクセスできる手段を提供する』『アクセスしたデータを常に利用可能にする』の3条件を満たした記録媒体が必要になる」でした。それを満たせる媒体を,永久記憶媒体と呼んだわけです。筆者は当時,半信半疑だったのですが,いよいよ時代が追いついてきたのでしょうか。

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 個人的には,データの永久保存は確かにありがたいのですが,それよりも,膨大なデータから美味しいところだけを取り出してくれる技術に期待しています。そもそも,もし過去を丸ごと記録できるようになったとしたら,それを再生するのに未来の同じだけの時間を費やしてしまうわけです。日経エレクトロニクスの創刊900号から転載したこちらの記事にあるように,過去の膨大な情報から意味を抽出する技術が進歩して,これまでの人生から自慢話だけを選りすぐり,私の限られた脳みそに収まる大きさにしてくれるといいのですが。何なら,ほんのちょっと美化して。

ニュース(4月27日~5月15日)