さすがです,トヨタのプリウス。今回のニュース・ランキングでは,新型プリウスにハイブリッド車の話題を合わせると,アクセス数トップ10のうち全部で8本。参考になった記事のトップ10では,7本が関連する記事でした。インサイトが発売されたときにもTech-On!読者の反響はすごかったのですが,それをも上回る勢いです。今や,ハイブリッド車を含めた環境負荷の小さいクルマは,自動車の未来を背負って立つ存在。その主導権をめぐって,国内の自動車メーカーが世界最先端の技術で火花を散らすさまは,日本から情報を発信するメディアの一員として頼もしい限りです。

 ただし,コラム/解説/講座のランキングに目を転じると,少々心配なことがあります。参考になった記事の2位に入った日経エレクトロニクスのブログ記事によれば,「電動車両開発は今や,技術力での勝負だけでなく,ビジネス・モデルや政策で勝負する面がとても強くなっています」とのこと。アクセス数トップのコラムの著者が,かねがね主張しているように,米国が自分に有利なように競争の土俵を変えることは十分あり得る話です。読者の方も耳にタコかもしれませんが,携帯電話機やパソコンといった様々なエレクトロニクス製品で,技術力は十分あったはずの国内メーカーが,現在どういう立場にあるのかは先刻ご承知の通りです。

 プリウスはラテン語で「先駆け」を意味するそうです。インサイトは英語の「洞察力」。未来のクルマで先駆けた日本メーカーが,鋭い洞察力をもって,これからの市場を先導することを期待しています。

ニュース(5月18日~22日)