日経エレクトロニクスの創刊1000号発行を記念して,同誌が100号ごとの節目に掲載してきた特集記事を振り返る。いずれも,社会と業界の将来像を見据え,次の時代の鍵になる技術を取り上げたものである。それぞれの記事に刻まれたエレクトロニクス産業の原点は,さらなる発展への指針を暗示している。

エレクトロニクス,今後30年の技術突破

1971年創刊号

創刊号では,世界の識者に以後30年間の技術進歩を予測してもらった。当時の予想を上回る情報通信社会になった現在でも,いくつかの夢の実現はいまだ道半ばである。(続きを読む

パターン認識の現状と将来

1975年100号

100号ではパターン認識を取り上げた。急速に技術が進み,影響する範囲が広いことが理由だった。流通する情報が爆発的に増えた今,その重要性はますます高まっている。(続きを読む

ICの信頼性

1978年200号

200号のテーマは,「ICの信頼性」。この記事にあるように,日本メーカーは高い信頼性を製造工程でつくり込む手法に基づいて,安価で高品質のDRAMを世に出し,世界市場を席巻した。(続きを読む

人工知能

1982年300号

300号では,流行の兆しがあった「人工知能」に着目した。当時の目標だった,専門家の判断を代行するシステムや知能ロボットの実現は,現在もまだ遠い先にある。(続きを読む

LSI設計

1986年400号

400号の特集は「LSI設計」。CAD技術の進歩により,機器メーカーが自身の要求に適したLSIの設計を担うようになり,半導体メーカーはファウンドリーに近づくと見た。 (続きを読む

講演会:1990年代のエレクトロニクス

1990年500号

500号では,1990年代の電子業界を展望した講演会の内容を採録。情報通信技術が家庭で花開くという当時の予測は実現したが,その牽引役は必ずしも日本企業ではなかった。 (続きを読む

次世代パソコンOS「Chicago」

1994年600号

600号が取り上げたのは,当時開発中だった「Windows 95(開発コード名:Chicago)」。パソコンを人と人をつなぐメディアにするという,Microsoft社の野望を実現する第一歩と位置づけた。 (続きを読む

コネクテッド・ホーム

1997年700号

700号,701号の2号連続特集では,電子産業の新たな牽引役として「コネクテッド・ホーム」を取り上げた。その実現には,新たなビジネス・モデルの確立や,家庭の変化に対する理解が必要と主張した。(続きを読む

すべては,ユビキタスから始まる。

2001年800号

800号,801号との2号連続特集のテーマは「ユビキタス・ネットワーク」。あまねく広まったネットワークによって,人類は新たな段階へ進化すると主張した。(続きを読む

インビジブル・エレクトロニクス

2005年900号

900号特集は,「インビジブル・エレクトロニクス」と題して,2010年以降に「見えない機器」の世界が訪れると主張した。(続きを読む