1位「11nmまでは1社で開発できる」,2位「40nm世代のプロセス開発の中止」。何と対照的な結果でしょうか。今回,アクセス数が多かったニュースのリストを眺めると,日本の半導体産業の凋落ぶりを改めて突きつけられた気がして,何だかやり切れません。衰退の理由は耳にタコですから,もういいでしょう。ただただ残念なのは,半導体技術者が思う存分能力を発揮できる最先端の活躍の場が,また一つ減ってしまうことです。

 富士通マイクロエレクトロニクスにしろ,統合が遅れているNECエレクトロニクスとルネサス テクノロジにしろ,個々の技術者の能力で他社に後れを取ったわけではないと思います。極論すれば,次に使うお金がないから,優秀な人材もこれまでの蓄積も無に帰してしまうわけです。先の記事でインテルがいみじくも指摘しているように,最新の半導体設備に莫大な額を投資できる企業は,世界でも数社になってしまいました。企業に体力がなければ,優秀な技術者を生かせない時代が来たのでしょうか。

 これからは半導体以外でも似たような話が出てきそうです。本日飛び込んできた,NECとカシオ計算機,日立製作所が携帯電話事業の統合を検討というニュースは序の口かもしれません。万一,数々の分野で優秀な人材を活用できない未来が来てしまったら,その巨大な潜在能力は一体どこに向かうのでしょう。

ニュース(8月24日~28日)