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HOMEスキルアップマネジメント出井伸之の「非連続の飛躍」 > インフラの大転換が生む新産業

出井伸之の「非連続の飛躍」

インフラの大転換が生む新産業

求む! 皆さんのご意見

  • 出井 伸之=クオンタムリープ代表取締役
  • 2009/08/25 10:00
  • 1/1ページ

 前回私は本コラムで、「日本はいったいこれからどうやって身を立てていくのか、日本の方針が実はない」と書きました。日本の次世代産業、世界における産業競争力に大きな危機感を持っているので、思わず過激な物言いになってしまったのですが、今回は私の考えている産業活性化の仮説の一つを皆さんに問い、知見を持つ方、興味をお持ちになった方から声を求めたいと考えています。意見でもアドバイスでも構わないし、それはこういう本に載っているよ、という話でも構わない。たくさんの方の声を求めてみたい。そんな話をします。

 テーマはインフラ。おそらくすべての産業が関わると言ってもいい、インフラの大転換です。そしてこれは、輸出産業にもなります。もしかすると、アジアのインフラのビッグバンを引き起こす可能性もある。そんな物語です。

 日本のインフラが、世界に冠たるものであることは、おそらく異論はないと思います。例えば、水道、電気、ガス、道路…。形容できる言葉はいろいろと浮かびます。安定感、安全性、正確さ、スピード…。しかも個別の組織や企業が優れているだけではなく、業界内で、あるいは業界を超えて、なんとも微妙な役割分担や負担の棲み分けができています。だから大したトラブルもなく、比較的低コストでレベルの高いサービスを日本人は受けることができている。つまり、インフラの“システム”全体が優れているのだと思うのです。つまり、これは日本の得意分野だ、といっていいでしょう。

 しかし、では例えば、クオリティが極めて高い水道事業は、世界に輸出できないのでしょうか。地方自治体が担当しているインフラ領域ですが、このノウハウは世界に通用すると思うのです。実際、“水メジャー”はじめ、水事業は巨大企業がしのぎを削る世界の競争産業になっている。輸出する方法は、どこかにないのでしょうか。

 また、電気やガスは民間企業が行っていますが、専売事業者で展開できるエリアは制限されているようです。しかし、両者ともに優れた技術力とネットワークをコントロールする力を持っています。これも、輸出することはできないのでしょうか。国内では営業制限があっても、外国に行くのは自由なのでしょうか。

 ほかにも、通信、道路、港湾、病院、学校、銀行間ネットワークなどの資本インフラ、さらには渋滞用から洪水監視用までセンサーやレーダーネットワークなど、それこそ日本にはたくさんの優れたインフラがあります。中には、輸出するに十分に足る技術やノウハウ、ネットワークや仕組みを持っている領域も多いのです。しかし、これらには、地方自治体だけでなく、中央官庁が管理している領域もあります。そのノウハウは、どうすれば世界に出せるでしょうか。

 もっというと、ただ技術や機能を輸出するのではなく、僕はインフラの“システム”をまるごと輸出するのがいいと考えています。そうなると、担い手の組織や企業、さらには行政との関わりは極めて複雑になります。複数のインフラをまとめてシステムとして輸出したいといったとき、誰がリーダーになりえるのでしょうか。

 今、僕が持っている構想はこういうものです。地球温暖化対応の21世紀型の最先端都市の研究を、日本の叡智を結集して行うのです。そして小さくてもいいので実験都市を造る。インフラから自動車、電気、住宅、建設、通信などあらゆる産業が加わります。そして、システムとして輸出できるような小さな「ユニット」を作る。これを輸出するのです。1万人都市から10万人、30万人と、そのユニットさえ組み合わせれば、小都市でも大都市でも対応できるようにしておく。都市作りの新しいアーキテクチャを日本が発信するのです。

 こういうことは可能でしょうか。どんな課題があるでしょうか。どんな可能性が潜んでいて、どんな人たちが関われるのか。行政はどんなふうに連係して、金融はどう貢献できるのでしょうか…。奇譚のない意見やアドバイスがほしいのです。可能なら、ディスカッションができる勉強会を開きたい。研究されている組織や機関、大学があるなら連係してみたい。私の経営するクオンタムリープでは、9月14日、15日にAsia InnovationForum2009という国際会議を開催します。日本、アジアを中心にグローバルに参加者を集め、このインフラの大転換をテーマとして取り上げます。このフォーラムを利用して場を作ってもいい。 中国はシンガポールと組み、天津に未来の環境対応型実験都市、35万人規模の天津エコシティプロジェクトを進めています。完成は15年後のようですが、僕はそれを聞いたとき、ものすごく悔しかった。日本は定額給付金をばらまいている場合ではないのです。未来につながるビジョンを、グランドデザインを打ち立てなければいけない。

 日本の未来都市プロジェクトを、「i-CITY」と名付けても面白いかもしれない。インテリジェントシティ、インテグレイテッドシティ、いろんなiを詰め込んだ都市にしてみたい。少しでも関心を持った方、また知見がある方、日本の未来に何かしたいという志をお持ちの方、意見をお待ちしています。ネットだからこそ、いい意見が、アイディアが集まる。僕はそう思っています。(構成:上阪 徹)

同氏のコラムは,クオンタムリープのホームページにも掲載しています。

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