「(あの価格でビジネスが回るなら)すごい会社だ」「(従来品と比べて)約2万円下げた」「10万ルピー(19万円)を目指して開発」――今週のランキングをみる限り,クルマや家電製品では何よりも安さが重要になったようです。だったら逆張りだ,と考えるのがへそ曲がりの記者根性。意外なところに高級製品の可能性があると主張して,今週のこのコラムを乗り切ろうと思い立ちました。

 ところが,無い知恵をどんなに絞っても一向に高級製品のイメージがわきません。せいぜい,宝石をちりばめてるとか,24金とかそれくらい。自分ではちっとも欲しくない。そこでようやく気付いたのが,以前このコラムでも取り上げた,「欲しいもの,ありますか?」というブログ記事の真意です。問題は,欲しいものがないことではありません。「大金を払ってまで」欲しいものがないことが問題なのです。

 その理由は,結局みんなお腹一杯ということでしょう。日本の消費者は,クルマにテレビ,パソコンやケータイと,安くて美味しいものを思う存分食べています。そんな人に,次から次へと山海の珍味を出しても逆効果。胃腸をもっと広げるとか,お腹をすかせる方策を考えないとダメなのかも。草食男子ならぬ肉食壮年,隣の編集部にある出張土産の御菓子まで真っ先に食べる筆者が言うのだから間違いありません。

ニュース(3月23日~27日)