NC工作機は一家一台が当たり前?
一昨日のNEブログで高橋記者が紹介しましたが,日経エレクトロニクスは創刊1000号記念特集で「誰でもメーカー」という特集記事を掲載しました。3月23日号は動向編,4月6日号は技術編と2号連続でお届けします(連動コーナーはこちら)。
2号連続特集の共通テーマは「UGD(user generated device)」です。ユーザー個人,あるいはインターネット上に生まれるミニ・コミュニティーが中心となって,ハードウエアやソフトウエアの要素部品を選び,筐体を設計し,自分好みの機器を作れるようになるという未来を予想しています。
すべての機器がUGDになることは難しいですが,一部の趣味性の高い機器や,新興国など先進国とは異なるニーズがあるところではUGDは十分成立する可能性があるのではないかと取材を通して感じています。しかも,こうしたUGDのアイデアをメーカーが貪欲に吸収していくことで,新たな市場が形成されていくのではないでしょうか。
そうはいっても,取材を始めたころの私はメーカー出身者であることもあって,筐体やプリント基板などをユーザーが作製できるはずがないし,そもそも品質を保証できるはずがないという思いが強かったのは事実です。ですが,業務用だった大型コンピュータがパソコンとなり,一般消費者の必需品になったように,UGDを作製するためのツールは近い将来,我々の周りに当たり前のように存在する時代になると思っています。
その片鱗は既に姿を見せ始めています。例えば,個人で筐体を作製しようとすれば,NC工作機や3Dプリンターのような装置が必要になります。これらの装置は以前ならば,数百万〜数千万円するというイメージでしたが,実は今では手ごろな価格で購入可能になっています。
例えば,小型のNC工作機は既に30万円を切る機種が登場していますし,「Amazon.com」のような通販サイトで一般消費者がオーダーすることが可能です。それだけではありません。小型のNC工作機に数万円のセンサを取り付ければ,3Dスキャンとして利用できるため,粘土などで手作りした模型をスキャンすれば,それを金属や樹脂などの筐体として作製することが家庭で可能になっています。
一方,3Dプリンターも100万円程度の機種が登場しています。陶芸を趣味としているような人であれば,数百万円する電気釜を購入することがあるようですが,それと同じ感覚で3Dプリンターを購入できる時代が来ています。家庭用プリンターが今や一家に一台あるように,近い将来,3次元筐体を作製できる装置が家庭に置かれているかもしれません。特にものづくりに関心が高い技術者の方々は,こうした装置への購買意欲が高いのではないでしょうか。かくなる私も是非,余暇を楽しめる老後には,こうした装置を駆使してみたいと思っています。


















