日経テクノロジーオンラインの技術経営とその関連サイト「アジア」「Japan Technology Next」「COLLEGE」に投稿された全ての記事(2014年11月10日~11月30日)のアクセス数ランキングは、Sony Ericsson製のフィーチャーフォンユーザーだった中国在住の著者が、米Apple社の「iPhone」を使うようになった経緯を取り上げた「ソニーをやめてiPhoneにしたワケ」がトップとなった。

 同記事は人気連載「上海発EMS通信」からの1本である。著者の山田泰司氏は、もともと「お年玉や小遣いを貯めて初めて自分のお金で買った電子機器は、ソニーのラジカセだった」というソニー贔屓(びいき)。1989年に北京大学に留学したときも、秋葉原でウォークマンを購入して持っていき、他国からの留学生の女の子にほめられて「自分がほめられたような気になった」という経験を持つ。

 こんな山田氏だが、2011年にSony Ericssonのフィーチャーフォンが壊れた際に「Xperia」ではなく、日本で使っていた「iPhone 3 GS」のSIMロックを業者に解除してもらって中国で使うことにした。その最も大きな理由は、Xperiaを含めて中国で販売されているAndroid端末はインターフェースが中国語であり、入力も英語と中国語が標準だったことだ。設定変更やIMソフトの追加で日本語環境を構築することは可能だったようだが、「面倒そうだという先入観があった」ため、日本語環境を標準装備するiPhoneを使うことにした。

 記事の後半ではこうした個人的な体験を踏まえた上で、中国事業の縮小を発表したばかりのソニーのスマホ事業について、中国人がどのように見ているかを中国メディアの報道から紹介。「北京、上海、広州、深セン、成都などの大都市以外でソニーの携帯電話の広告を見る機会はほとんどない」など、中国におけるソニーの存在感の薄さを取り沙汰する声を取り上げる。

 2位の「【最期の教え】だから松下は世界企業になれた」は、2014年10月に逝去された松下電器産業(現パナソニック)元副社長の水野博之氏の寄稿である。弊社の技術経営情報誌「日経ビズテック」に掲載された9年前の記事だが、哀悼の意を込めて、水野氏と40年にわたる交流があった技術ジャーナリストの西村吉雄氏の序文とともに再掲した。

 9位にランクインした「スピントロニクスで日本は優位なのか、特許庁の調査から見通す」は、電子の電荷と磁気モーメント(スピン)を利用する新しいエレクトロニクス技術であるスピントロニクスについて、日本の優位性を特許庁の「平成25年度特許出願技術動向調査」からあぶり出す。特許庁の審査第四部審査調査室総務部企画調査課に執筆を依頼した記事だ。