2014年10月22日、The California Israel Chamber of Commerceが、米マウンテン・ビュー市で「California Israel International Business Summit」というイベント(イベントのWebサイト)を開催した。このイベントの主な目的は、イスラエルのベンチャー企業をシリコンバレーのベンチャー投資家や企業に紹介することだ。その中では、今シリコンバレーで流行している「IoT(Internet of Things)」に関わる企業が注目を集めた。

 今回のイベントは、2014年3月5日に発表されたイスラエルとカリフォルニア州政府が同意した共同開発契約の成果だという(契約書の発表)。この契約は、イスラエルのBenjamin Netanyahu首相がカリフォルニア州に訪問した時にサインされたものだ。

カリフォルニア側は「AllJoyn」が注目

Qualcomm社のRob Chandhok氏

 イベントの基調講演は、米Qualcomm Technologies社、Senior Vice PresidentおよびQualcomm Interactive Platforms、PresidentのRob Chandhok氏が行った。Chandhok氏は講演で、IoTに注目していることを語ったが、IoTという言葉自体は批判した。「この言葉は幅が広すぎて、意味をなさなくなっている」(Chandhok氏)。とはいえ、IoTが指し示す、多数の装置がインターネットに接続されて能力を高めるというムーブメントは「インターネットの次のフェーズだ」と主張した。

 Chandhok氏によると、従来のインターネットと違って、現在のIoT環境はお互いに情報を自由にやりとりできない装置から構成されている、という。「まるで1990年代のAOLやCompuserveのようだ」(同氏)。さまざまなサービスが互いに接続しあうことで、新しいサービスが生まれやすいという、今のインターネット環境と同じような状況にIoTをするために、Qualcomm社が提案するのが「AllJoyn」(同技術のWebサイト)という技術だ。AllJoynの基本的な発想は、Web用のAPIと同じような技術を採用して、オープンな環境上で互換性を守りながら多数の装置を接続させるというもの。セキュリティを守るため、各装置が独自にインターネットと接続することは避ける。「トースター機がセキュリティホールを作ることを避けるため」(Chandhok氏)。

Qualcomm社が提案するAllJoynの概要
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