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第1回:「家電下郷」の特需を争う韓台中メーカー,出遅れた日本メーカーは活路を模索

北原 洋明=テクニカル・ライター,王 海紅=日経マイクロデバイス 協力スタッフ
2009/05/11 00:00
出典:日経マイクロデバイス、2009年5月号 、pp.33-40 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 中国政府が推し進める「家電下郷」政策によって,中国国内のFPDテレビ市場がにぎわい始めた(図1)。今後の大きな発展を見込んで,台湾のパネル・メーカーが中国のテレビ・メーカーに急接近している。また,韓国のパネル・メーカー2社による,自社製品の品質の高さを中国市場で認知させるためのアピール合戦も熱を帯びてきた。さらに,これまでIT用パネルを主に製造してきた中国のパネル・メーカーは,テレビ用生産ラインへの投資を検討する動きを活発化させている。対照的に,日本のパネル・メーカーの影は薄い。劣勢を挽回すべく,FPD産業での生き残りをかけた起死回生の策を実行に移そうとしている。

図1 中国市場を舞台に繰り広げられる中韓台の主導権争いと生き残るための策を模索する日本
韓台中はそれぞれの戦略を持って,拡大する中国市場の中での競争を繰り広げている。日本は,これまでのビジネス・モデルを変え,中国に直接出ていく準備を進めている。著者が作成。
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 世界のFPD産業は,金融危機の影響を受け,大きく低迷している。FPDテレビの販売台数は落ち込み,その影響でパネル・メーカーの稼働率が大きく低下した。このような状況下,中国のFPD市場に熱い視線が注がれている。中国政府が推し進める内需拡大政策の一環である「家電下郷」によって,農村地域でのFPDテレビ市場の拡大に対する期待が高まっている。

 こうした期待を反映したさまざまな動きを,中国FPD産業界の中で見聞きすることができるようになった。その一つが,2009年3月11日から13日に中国上海国際展覧中心で開催された「FPD China 2009展示会・フォーラム」である。ここでは,中国おいてFPD市場が大きく動き始めていることを実感させる,さまざまな展示や発表があった。特に目立ったのが,韓国と台湾のパネル・メーカーによる中国市場での主導権争いと,中国のパネル・メーカーによるパネルの生産拡大の動きである。

 奇しくも,FPD China2009の最終日3月13日は,中国の最高議決機関である「両会注1)」の閉幕日に当たった。両会開幕後の記者会見に望んだ温家宝首相は,2009年のGDP成長率8%を達成するための「4兆元の政府支援」などについて,政府計画の意味注2)を詳しく説明した。そして,「中国は経済危機を克服し,飛躍的な経済成長を続ける」と力強く宣言した。

注1)今年の「両会」は,第十一回全国人民代表大会二回会議(3月5日~13日)と全国政治協商会議第十一回二回会議(3月3日~12日)で,北京で開催された。

注2)この計画は四つの内容を含んでいる。(1)大規模な政府資金投入,(2)広範囲での産業調整と振興,(3)有望な科学技術の開発支援,(4)社会保障水準の向上。4兆元の計画は,この計画の一部でしかなく,政府は,今よりもっと厳しい困難に対しても対応を準備し,必要になれば,いつでも新しい景気刺激策を提出できるとしている。

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