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日経エレが目撃した電子産業・歴史の現場

【電子産業史】1997年:プリウスの登場

151万人が見た「先駆け」,クルマの電子化が加速

  • 2008/08/25 09:00
  • 1/3ページ

1997年,トヨタ自動車はハイブリッド車「プリウス」を発売した。

 「クルマの写真はもういいから,ヒトの写真をもっと撮ってきて!」

 1997年10月末の金曜日,午後10時――。いよいよ12時間後に「東京モーターショー」の一般公開が始まろうとしていた。それに先駆けて報道陣向けに設定されたプレス・デー。私はその取材を終えて記事執筆の前に,誌面に掲載しようと考えている数々のクルマの写真を担当デスクに見せていた。

 「えっ? ヒトって入場者…ですか?」

 「そう,だって明日からいっぱいの人が見に来るわけでしょ。クルマにたかっている大勢の人たちの写真を記事の1ページ目で使えば,迫力が出るよ」

 その年の東京モーターショーは開幕前から我々報道陣はもちろん,一般の人たちからも多くの注目が集まっていた。トヨタ自動車が世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を初公開するのだ。明くる土曜日の昼下がり,私は会場近くの最寄り駅に降り立っていた。


図1 プリウスが目玉に ハイブリッド・システムのカット・モデルにも多くの人が群がった。 (画像のクリックで拡大)

図2 会場内は人,人,人… 写真はハイブリッド車のコンセプトカーを展示していたホンダのブースである。 (画像のクリックで拡大)

 ある程度予想していたとはいえ,すごかった。駅から会場に向かうと,途中から入場口へと続く長い列が出来上がっていた。100m以上はありそうだ。私は歩道橋の上からカメラを構え,シャッターを切った。入り口でこれだけの人なんだから,会場内はきっとごった返しているんだろうな…。そんなことを思いながら,私は歩を速めた。

 会場に入ると,なんと通路が一方通行に規制されていた。混雑を和らげるためだ。もちろん入場者たちのお目当ての一つはプリウスに違いない。私も整然と流れる人の波に乗って,トヨタ自動車のブースへと入った。多くの人たちがプリウスに向かってカメラを向ける中,逆に私はプリウスを載せたステージ台に寄り添いながら,プリウスを見に来た人たちの写真を撮った。プリウスをジーっと見つめる人,ひたすら写真を撮る人,子供を肩車しているお父さん,背伸びをする若い女性…。ハイブリッド・システムのカット・モデルも展示され,顔をグッと近づけて見ている技術者らしき人たちも多くいた。そんな表情もカメラに収めた(図1)。結局,私は次の日曜日も会場に足を運んだ。記憶は定かではないが,2日間で24枚撮りのフィルムを10本近く使ったかと思う。その年のモーターショーは13日間の会期中,151万人もの入場者を集めた(図2)。

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