NEレポート
論文

出力7Wを超える,赤色半導体レーザを実現

プロジェクターの小型化・高品質化が可能に
今西 大介 ソニー コーポレートR&D コアデバイス開発本部 ディスプレイ開発部 光デバイス課 統括課長 主任技師
インタビュー

特許システムには変化が必要

Scott McGregor 氏
米Broadcom Corp.,President,Chief Executive Officer
ドキュメンタリー

「Emacs」に魅せられて,オープンソースに学ぶ

プログラマー・石黒邦宏を創ったもの(上)
クローズ・アップ
  • クルマ:ドライブ・レコーダー市場の動きが活発化,一般車への普及が後押し
  • 部品/部材:期待高まるピコ・プロジェクター,部品メーカーが本腰,企業買収も
  • 組み込みソフト:「ETロボコン」,今年はハード変更でモデル工夫の余地が拡大
キーワード

風力発電

編集長から

 電子書籍市場が今,熱くなっています。現在の主戦場は米国,主役の一人はソニーです。同社はかつて国内市場に電子書籍端末を投入し,撤退を余儀なくされた苦い経験があります。電子書籍事業の拠点を米国に移すことで息を吹き返し,ここにきて急成長を遂げているのです。

 ソニーが米国で最初の電子書籍端末を投入したのは2006年10月。それから2008年11月末までの約2年間で販売した端末は,累計で30万台。その後,2009年1月末までの2カ月間で10万台を積み上げ,一気に累計40万台まで急増しました。成功の背景には,日本での経験をバネに,コンテンツの充実を図ったことがあります。

 ソニーと並ぶもう一人の主役は米Amazon社です。同社の電子書籍端末「Kindle」はソニーの端末に影響を受けて開発が始まったといわれていますが,現在は市場をリードする存在になっています。販売台数は2008年末までに累計50万台,そして2009年2~3月だけで30万台売れたそうです。

 このほか,韓国Samsung Electronics社が2009年6月から順次,韓国や北米などで端末の発売を開始しました。米Google社は2009年末に電子書籍の販売サービスを始める計画です。さらに,Wall Street Journalなどの新聞やFOXといったテレビ局を有する米News社,米国の最大手書店Barns & Noble社などのコンテンツ大手各社も続々と参戦予定です。米Apple社が,近く電子書籍市場に本格参入するというウワサも絶えません。

 なぜ今,電子書籍が注目を集めているのか,そして端末は今後どう進化していくのか。少しだけ説明しますと,Kindleが受け入れられたのは「早い,安い,うまい」の3拍子が揃ったからです。早いは無線通信機能,安いは低価格,うまいはコンテンツの充実です。詳細は日経エレクトロニクスの最新号の特集「電子書籍,メジャーへのページをひらく」をぜひお読みください。

 このほか最新号では,ディスプレイ分野における新たな競争軸が見られた「参加者激減のSID 2009,軸は「曲がる・省電力・3D」」,“オープン・イノベーション”の提唱者などによるパネル・ディスカッションのようすをまとめた「協業が生み出す新たなイノベーション」という2本の解説記事,さらに先日発売された太陽電池搭載ケータイの分解記事なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄