部品内蔵基板を注力製品の一つに掲げるSEMCO社

 実装密度の向上を狙って,樹脂基板内部に受動部品やICを埋め込む部品内蔵基板。2009年6月に東京ビッグサイトで開催された「第39回国際電子回路産業展(JPCA Show 2009)」では,チップ型の受動部品や膜状のコンデンサからウエハー・レベルCSP,ベア・チップ,LED素子など,さまざまな部品を内蔵した基板を各社が展示した。

 会場での注目をひときわ集めていたのが,韓国Samsung Electro-Mechanics Co.,Ltd(. SEMCO社)である。かねて部品内蔵基板の開発に取り組んできた同社が,いよいよ2009年第1四半期から部品内蔵基板の量産を開始したからだ。しかも,大量の出荷が見込める韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.の携帯電話機向けに供給しているもようだ。

Samsungの携帯電話機に

 SEMCO社の動向いかんでは,これまで日本メーカーがほぼ独占してきた部品内蔵基板の勢力図が,ガラリと塗り替わる可能性がある。日本メーカーはこれまで,SEMCO社など,海外の部品内蔵基板メーカーに対し「展示会で試作品を見せるだけなら誰でもできる」と歯牙にもかけなかった。

『日経エレクトロニクス』2009年6月29日号より一部掲載

6月29日号を1部買う