創刊1000号記念特集・第2弾

ハードだってオープンソース

User Generated Deviceの実現技術
解説1

Si チューナーの採用拡大でテレビが変わる

多チャンネル同時受信や薄型・小型化を加速
NEレポート
インタビュー

半導体の進化は3 次元技術が担う

Bernard S. Meyerson 氏
米IBM Corp.,IBM Fellow,VP Strategic Alliances & CTO,Systems & Technology Group
ドキュメンタリー
三洋電機「Xacti」の開発 第2回

その程度の画質で売れるわけがない

NEアカデミー
アナログ強化塾 第2回

アナログ技術の新潮流,時間分解能型回路とTDC(前編)

計測実践講座 第1回

その測定結果,どのくらい信頼できますか

組み込み寺子屋2 第2回●ソフトウエア開発に利用する図

機能や構造を図で可視化して,ソフトウエアを設計

クローズ・アップ
  • 医療エレ:「遠隔予防医療」の実証実験,診療報酬の制度改正を視野に
  • 組み込みソフト:ソフトの品質を可視化するツール,無償提供が始まる
  • エネルギー:ドイツ発の太陽電池振興策,日本も2010年に開始へ
キーワード

モバイルWiMAX

編集長から

 創刊1001号となる今号の特集は,1000号に引き続き「User Generated Device(UGD)」についてです。前号はUGDの時代がやってくることを書きましたが,今回はUGDを実現するための技術に関してまとめました。

 物理的な実態を持ち,製造という工程が必須のハードウエアは企業が作るもの――。これがこれまでの常識でした。製品のユーザーである個人が,その仕様をどうこういう立場にはなかったのです。ユーザーは,あくまでメーカーが提示したハードウエアの中から好みの製品を選ぶ存在でした。ただ,堅くて直しにくいハードウエアも,例えば組み立てるツールや装置の価格が劇的に下がれば状況が変わり,まるでコンテンツやソフトウエアを扱うように個人が操れる時代が来るのではないか。こういった視点から今回の特集をまとめました。

 実は,他の業界では,ユーザーが作る行為をしている分野もあります。例えば服飾。製造技術が成熟しているため,既に作り手と使い手の境界があいまいになり,ユーザーが製品開発に参加しています。この波がエレクトロニクス業界にも押し寄せようとしているのです。かつてソフトウエアも,個人が自由に作れるものではありませんでしたが,コンピュータのダウンサイジングや低価格化,OSやアプリケーションなどの一部無償化などによって,いまや個人が入手し,自由に操れるようになっています。

 では,具体的にどんな状況であれば,UGDの世界が実現するのか。ポイントは,オープンソース・ハードウエアです。ソフトウエアの分野で携帯電話機のソース・コードを公開したAndroidがありますが,そのハードウエア版と考えてください。オープンソース・ソフトウエアになぞらえて,オープンソース・ハードウエアと呼ばれています。その具体的な内容については,ぜひ最新号をご覧ください。

 このほか最新号では,テレビの多チャンネル化同時受信や薄型・小型化を加速させるSiチューナに関する解説「Siチューナの採用拡大でテレビが変わる」,米国で開催されたカメラ関連の総合展示会「PMA」についての詳報「カメラの競争力はソフトが決める」,そして先日発売された新型「iPod shuffle」を分解したNEレポートも掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄