カメラ業界の2大展示会の一つ「PMA」が2009年3月3~5日に米国・ラスベガスで開催された。今回の展示に対する感想は,参加者の職務によって大きく異なった。 「見るべきモノがない」と販売担当者が言う一方で,ソフトウエアや画像処理の企画・開発を担当する人たちは「いつも以上に参考になる」と興奮した。そこには競争力の源が変化したことがハッキリと現れていた。

単に撮る機能では,顧客は振り向かない

 カメラ・メーカーは衝撃を受けていた。「PMA」開催前に,最悪のニュースが飛び込んできたからだ。

 こうした中で開かれたPMAは,ここ数年で最も盛り上がりに欠けた。

 しかし,注意深く参加者の声を聞いていくと,全く異なる感想もあった。特に「今年ほど収穫が多かった年はない」と口をそろえたのが,カメラに組み込むソフトウエアや画像処理LSIの企画/開発を担当する人々である。実際,PMAにはそれらの工夫によって,新たなユーザー体験を提供する商品が数多く並んだ。

『日経エレクトロニクス』2009年4月6日号より一部掲載