日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年6月8日~7月8日にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。

日本が米国に勝てない理由

 1位と2位、5位、そして8位はいずれも、この6月に連載したコラム「あえぐ日本の電子産業、米国に勝てない本当の理由」の記事だった。著者は、30年にわたり米国企業で働き続けている日本人技術者。現在は、半導体歩留まり向上用ソフトウエアのメーカーである米PDF Solutions社に勤務する前川耕司氏である。同氏が実際に現場で見た状況を基に、米国の電子産業が復活し、日本の電子産業が凋落していった理由を分析している。

 1位は、連載第1回の記事「逆転した日本と米国のポジション」。日本の電子産業が苦境から抜け出せないでいる、その典型的な例が半導体産業である。半導体の世界売上高は2014年に2年連続して過去最高記録を塗り替えたものの、日本では半導体は構造不況業種に成り下がっている。1980年代後半の日米半導体摩擦がうそのようだ。著者の前川氏が目の当たりにしてきた“日米逆転”の現場を描いている。

 2位は、連載第4回の記事「実はコツコツ、米国技術者のキャリア形成」。著者によると、米国人技術者は個人のキャリア形成も意外に地道であり、働きながら勉強を欠かさずに力を付けていくのだという。「華麗な転職の背景には、たゆまぬ努力がある」、「日本から見ると派手な動きが目に着く米国だが、実際には米国企業は長い年月をかけて地道に力を付けてきており、それが結実した」と、著者は指摘する。

 5位には、連載第2回の記事「技術革新-エピソード1:新技術者集団が登場」が入った。著者が80年代/90年代に米国の大手化学メーカーで携わってきたプロセスコントロールの革新を主に紹介した記事である。データベースを使ったプロセスコントロールの試みを取り上げている。記事を読むと、米国の復活の理由が見えてくる。なお、続編となる記事「技術革新-エピソード2:米国の長期投資が結実」も、今回のランキングの8位に入っている。

IntelがAlteraを巨額買収

 3位と4位には、米Intel社による米Altera社の買収に関連した記事がそれぞれランクインした。Intel社は、FPGAメーカー大手のAltera社を現金167億米ドルで買収すると、2015年6月1日(米国時間)に発表した。

 3位の記事は、「Intelが買収するAltera、GPUに“宣戦布告”の新FPGA発表」である。Altera社が、2015年末にサンプル出荷を予定しているハイエンドFPGA「Stratix 10」の詳細を発表したというニュース記事だ。Stratix 10は、Intel社がファウンドリーとして14nm世代で製造する計画である。Altera社は2015年第4四半期にサンプル出荷を予定している。

 4位の記事は、「Intel社がAltera社の買収に必死だったわけ」。Intel社によるAltera社の買収については、Altera社が提示価格に不満を示して、一度破談を報じられたという経緯がある。それが、一転しての合意となった。1株当たり54米ドルという買収金額は、この3月に両社の交渉が初めて報じられた3月27日前日の株価34.58米ドルよりも56%高く、かなり高評価での買収といえる。半導体の雄であるIntel社が、それほどAltera社の買収に必至だった背景を詳しく解説している。

 なお、Intel社によるAltera社の買収についてはこの他、「半導体業界が大再編時代に、IntelがAlteraを巨額買収」が10位にランクインしている。