米Altera社は、2015年末にサンプル出荷を予定している同社のハイエンドFPGA「Stratix 10」の詳細を発表した。Stratix 10は、2015年6月1日(米国時間)に同社の買収を発表した米Intel社がファウンドリーとして14nm世代で製造するFPGAである。

 Stratix 10は以前から概要については公表していたが、デバイスのラインナップなど詳細を明らかにするのは今回が初めてだ。2015年第4四半期にサンプル出荷を予定する。

図1 日経エレクトロニクスのインタビューに応じたAltera社のPatrick Dorsey氏

 Stratix 10は、FPGAファブリックのアーキテクチャーを改善したことで、同社の従来品「Stratix V」と比べて約2倍の性能を実現する。ロジックエレメント(LE)内だけでなく、LE外部の配線部にも数百万個のレジスターを設けることで、パイプラインを細かく区切れるようにし、ユーザーロジックの種類によっては最大900MHzほどで動作できるようにした。

 Stratix 10では、既にサンプル出荷中の同社のミドルレンジFPGA「Arria 10」と同様、DSPハードマクロが浮動小数点演算対応となった。最も多い品種では1万1000個以上のDSPハードマクロを搭載しており、米NVIDIA社のGPUを凌駕する10TFLOPSもの浮動小数点演算性能を備える。同社Senior Director of Product MarketingのPatrick Dorsey氏は「NVIDIA社のGPUと本格的に競争できるようになった」とGPUへの対抗意識を露わにする。

Xilinx社との方向性の違いが明確に

 Stratix 10の特徴は主に4つ。(1)Stratix V比で約2倍の性能を実現する「HyperFlexアーキテクチャー」、(2)消費電力の削減、(3)Intel社の2.5次元実装技術の導入、(4)クラウドでのマルチテナント利用などを踏まえたセキュリティー機能、である。