2015年上半期(1~6月)の日経テクノロジーオンラインの総合記事ランキングを紹介したいと思います。1位になったのは「『iPhone』がもうかる本当の理由」でした。同記事はさまざまなメーカーの設計改革を手掛けてきたプリベクト代表取締役の北山一真氏が、「設計と原価の融合」という観点からプロフィタブル・デザインについて解説しているコラムです。
北山氏によれば、“Apple社は自社工場を持っていないが、もうけを生み出す固定費の部分にきちんと投資している”こと。さらに、“設備や治具、技術をできるだけ変えずに済むような制約を設け、その中で付加価値を高めるための設計をしていることが、Apple社が莫大な利益をたたき出している秘訣である”としています。
このほか、上位にランクインした記事をざっと見たところ「Galaxy S6」や「Apple Watch」といった海外メーカーの新製品が多く、日本メーカーの新製品は自動車の新車情報があるくらいでした。最近、日本企業による「B to B(B2B)」市場へのシフトが鮮明になっています。特に電機業界ではその傾向が顕著です。パナソニックをはじめ、ソニーでさえも経営層が頻繁にB2B向けに事業を拡大する話をしています。
上位50位くらいまでのランキングを見ていて目に付いたのが「ミッションと可視化が、大メーカーをダメにした」「失敗しても骨は拾うから、精一杯やれ」といった新事業に関する記事が良く読まれていることでした。多くの技術者が新しい事業を生み出したいと思っているものの、うまく進まずに思い悩んでいるのではないかという印象を受けました。