テーマサイト「産業機器・部材」における今回(期間:2013年8月23日~9月19日)のアクセスランキングでは、日本が12年振りに開発した新型ロケット「イプシロンロケット」に関する記事が注目を集めた。
PBSを追加した3段式ロケット
イプシロンロケットは、3段式の固体燃料ロケットだ。ただし、2013年9月14日に打ち上げられたイプシロンロケット試験機は、3段目の上に4段目に相当するポスト・ブースト・ステージ(PBS)を搭載する。PBSは、液体燃料エンジンを搭載したステージ。液体燃料エンジンを積むメリットは、いったん点火すると止められない固体モータと違って、必要に応じてエンジンを切ったり入れたりして推力を制御できる点にある。イプシロンロケットに搭載する衛星を、所望の軌道により高精度に投入できるようにするための追加品である。
同日14時に打ち上げられたイプシロンロケット試験機は、発射後2分40秒に1段目、同10分23秒に2段目、同16分47秒に3段目と燃焼の終わった部分を次々と分離。その後、同21分26秒後~同25分53秒後および同54分24秒後~同59分19秒後の2回に分けてPBSの液体燃料エンジンを燃焼させて軌道を調整後、搭載していた科学衛星「ひさき」(SPRINT-A)を軌道へと投入した(イプシロンロケット特番サイト)。