前回までは、さまざまな安全機器のうち、現場の状態を検知する「入力機器」について説明してきました。今回からは、入力機器の信号を受けて適切な制御を行う「論理機器」を紹介していきます。今回取り上げるのは「強制ガイド式リレー」です(図1)。

図1●強制ガイド式リレー(左)と汎用リレー(右)
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 そもそもリレーとは、電磁石(コイル)の電磁力を利用してスイッチのオン/オフを切り替える機器です*1。電磁石からスイッチに電気信号を伝えるので、「継電器」とも呼ばれます。

*1 電磁石は比較的小さい電力で駆動するため、大電流の切り替えにスイッチを用いた場合、リレーは「増幅器」の役割も果たします。

 リレーにはさまざまな種類がありますが、本稿の主役である強制ガイド式リレーは機械の安全に関わる制御システムに使用されています。強制ガイド式リレーは、スイッチの切り替えというリレー本来の役割に加えて、自身の接点が溶着するなどの故障が発生した場合にそれを検知して機械を安全に停止させるという監視の役割も担います。以下では、汎用リレーとの比較に基づいて強制ガイド式リレーについて説明していきます。