「これは私に社長を辞めさせるためかなと思いながら、日本を出発した。(社長を辞めることになったら)『あの社長は1年もたなかったな』と喜ぶ人も多いだろうなと考えた」――。2016年12月5日~2017年1月5日の日経テクノロジーオンライン「ものづくり(総合)」の記事アクセスランキングは、2016年12月初旬に開催された「品質管理シンポジウム」におけるトヨタ自動車社長の豊田章男氏の特別講演からの記事「トヨタ社長 今だから語る『男泣き』の理由」でした。

 同講演では、リコール問題で社長就任間もなく召喚された米議会の公聴会での心境や、同社の人づくりへの思いを赤裸々に語っており、同氏の本音が垣間見えました。日経ものづくりでは、2017年1月号の特集「トヨタ、止まらない進化」で、この講演内容も含めた同氏へのインタビューを掲載しています。同特集は、設計から生産まで変革を続けるトヨタ自動車の姿を多面的にとらえた力作です。ぜひご一読ください。

期待の新材料セルロース ナノファイバー

 今回は雑誌記事のランクインが目立ちました。3位の「13m落下しても卵が割れないパッケージはどれ?」、9位の「風力発電業界のドン・キホーテ」、12位の「1兆円市場に向けて急伸するセルロース ナノ ファイバー」、14位の「1万6000回の計算で30世代進化させる――これまでにない設計」などがそうです。

 この中でも筆者が個人的に気になっているのは、「1兆円市場に向けて急伸するセルロース ナノ ファイバー」です。植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)は、2016年12月に開催された展示会「エコプロ2016」でも、特設展「ナノセルロース展」が新たに設けられるなど、いま話題の新材料。高強度軽量化材料としてはもちろん、医療や生活用品など幅広い分野での利用が期待されています。実際、ナノセルロース展からのニュース記事「京都大学、CNFを使って約3割軽くしたエンジンカバーを出展」も10位にランクインしており、関心の高さが伺えます。これからの技術の進展と利用拡大に要注目です。