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HOMEものづくり品質の明日 > 30カ国2万のQCサークルが頂点を目指す

品質の明日

30カ国2万のQCサークルが頂点を目指す

ホンダの品質監理部主任技師の園田俊也氏に聞く(上)

  • 聞き手=中山力、山崎良兵
  • 2016/12/05 18:30
  • 1/3ページ

日本の製造業は品質を重視する経営で高いグローバル競争力を実現してきた。こうした日本の品質関連の取り組みを支援してきたのが「デミング賞」で知られる日本科学技術連盟(以下、日科技連)だ。企業・組織が品質に関する事例発表を行う日科技連主催の「クオリティフォーラム」(2016年11月21、22日)が開催されたのを機に、日経テクノロジーオンラインはセッションの登壇者などへのインタビュー記事を連載する。今回は「企業風土を活かしたHonda独自のTQM活動」に登壇するホンダ品質監理部主任技師の園田俊也氏のインタビュー(上)をお届けする。(聞き手は中山力、山崎良兵)

―――ホンダにおけるTQM活動のベースには、「Hondaフィロソフィー」があるとお伺いしました。両者にはどのような関連があるのでしょうか。

園田俊也 氏
ホンダ 品質監理部部付主任技師。1979年に本田技術研究所に入社。4輪エンジン設計に配属され、F1エンジン開発責任者や初代FITエンジン開発責任者など、研究開発に20年間従事した。その後、商品技術戦略室室長などを経て、2006年にHonda R&D America社の副社長、2008年にHonda R&D Asia Pacific社の社長に就任。2010年に本田技研工業の品質保証部部長、2014年に品質監理部部長、2016年から現職。

園田:「Hondaフィロソフィー」とは、ホンダの企業風土を明文化したものです。簡単に申し上げるとHondaフィロソフィーは「基本理念」「社是」「運営方針」の3つで構成されており、例えば基本方針は、自立と平等、信頼という「人間尊重」および、買う喜び、売る喜び、創る喜びの「三つの喜び」から成ります。

 ホンダにおける企業活動は、Hondaフィロソフィーの実践そのものです。TQM活動も企業活動の一環ですから、当然、Hondaフィロソフィーをベースとしたものになるのです。

 そのため、Hondaフィロソフィーを伝承していくさまざまな仕組みを設けています。その1つが、グローバル全社員向けに構築した社内Webサイト「Honda原点ライブラリー」です。ホンダ創業時の歴史やエピソードを分かりやすくコミックで紹介する「原点コミック」や、各事業所で歴史的な製品や資料を巡回展示した「モノづくり展」を紹介するコーナー、創業者の理念についての講演をまとめた動画「原点講演」などのコンテンツがあります。さらに、創業者の本田宗一郎や藤澤武夫の発言集も収めています。200本以上の動画と500件を超えるテキストデータが格納されています。

―――そのような、Hondaフィロソフィーを伝承するための仕組みはいつごろから構築されていったのでしょうか。

園田:もちろん、最初からこれらの仕組みが構築されていたわけではありません。社是や運営方針が制定されたのは1950年代ですが、Hondaフィロソフィーが体系化されたのは1990年代。そして、原点ライブラリーが公開されたのは2010年を過ぎてからでした。しかし、TQM活動の基盤として存在するHondaフィロソフィーの本質は創業以来一貫しています。

 ただし、ここで注意したいのが「安定と固定は全く違う」ということです。本田宗一郎の言葉として、「安定というのは、いつも動いていながら、うまくバランスをとっている状態を指すのであり、一方、どんなに堅固に見えていても、固定して動きの取れないような状態はよくない」、「何かが安定する為には、その基盤をなすものがある程度柔軟でないといけない」と伝えられています。

 経営(TQM活動)を安定化するためには、基盤であるHondaフィロソフィーにはある程度の柔軟性が必要なのです。その具体的な活動例が、F1やASIMO、HondaJetなどへの挑戦なのです。

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