2008年9月8日~12日の週,アクセス数の多さで見たランキングの上位には,デジタル家電の新製品や新車のニュースがずらりと並びました。最も注目を集めたのは米Apple社が発売したiPodの新製品の話題です。ニュースの1位6位に発表会の様子,コラムの3位には事前の予想の記事が入りました。ニュースの2位は,事業化への展望がなかなか開けないSEDの記事。9月9日付の日本経済新聞朝刊の報道を受けて確認したところ,Tech-On!では8月上旬に報じた内容が確定したということだと分かりました。3位に入ったのは,米国の新興テレビ・メーカーVIZIO社の台頭を報じた,1年以上も前の記事です。同社が日本市場に参入という新聞報道を受けて,関連情報をネットで調べた読者に多数アクセスしていただいたようです。

 今回のiPodの新製品で筆者が一番気になったのは,新「iPod classic」の記憶容量です。発表された製品中,最も容量が大きい機種なのですが,それでも120Gバイトしかありません。これまでの最大値だった160Gバイトから一歩後退しているのです。iPodの新製品で,最大容量が従来よりも減ったのは,今回が多分初めてではないでしょうか。Jobs氏いわく,「(既存のiPod classicの2機種のうち)ほとんどみんなが薄い方を欲しがってるから,(容量の大きい)厚い製品はやめることにした」。つまり,ユーザーは容量よりも薄さを望んでいるのだと。これまでずっとHDD分野を担当してきた記者としては,ちょっと複雑な気分です。フラッシュ・メモリの大容量化が進み,価格がもう少し下がれば,iPodからHDDがなくなる日がついに来るのかもしれません。

 総じて今回のiPodの発表は,新機軸に乏しいと感じたのも事実です。これまで業界を驚かせ続けてきたApple社は,ここに来て足踏みしているのでしょうか。筆者は発表会の模様を,米国のブログ経由で眺めていました。Jobs氏が壇上に現れてから1時間ほど,「さあこれからメイン・ディッシュ」と期待していたところで,早くも発表会は終わってしまいました。Apple社が配信しているポッドキャストによると,前回「iPhone 3G」を発表したときのJobs氏のプレゼンテーションは1時間40分以上にわたりました。今回はわずか1時間4分。「Jobs氏の体調が思わしくないからでは」と,勘ぐってしまったほどです。

9月8日~12日のニュース・ランキング

9月8日~12日のコラム・ランキング

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