2007年第2四半期における北米の液晶テレビ市場シェア(金額ベース)で米VIZIO,Inc.が第3位になる可能性があることを,米DisplaySearch社が2007年7月24日に開催した「第13回 ディスプレイサーチフォーラム」の中で示唆した。

 VIZIO社は,2005年に設立されたファブレスのテレビ専業メーカーである(ホームページ)。California州Irvine市に本社を置き,製品の生産は台湾のAmtran Technology Co.,Ltd.に委託している。2007年第1四半期のシェアは,北米市場においてソニー(金額ベースで22%),韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.(同17%),シャープ(同16%)に次ぐ第4位の10%だった。DisplaySearch社によると,第2四半期も絶好調であり,売り上げを前期比で大幅に伸ばしたもようである。1週間の期間限定ながら999.99米ドル(通常価格は1199.99米ドル)で販売された 42型フルHD仕様の液晶テレビ「VU42LF」(仕様の詳細)の発売などが,売り上げ増に貢献した。

 同社の製品は「安かろう,悪かろう」と揶揄される安物とはみなされていない。競合メーカーは「分解して中を調べてみると,どうしてこの値段で販売できるのか理解できないほどグレードの高い部品を使っている。どのような事業の仕組みになっているのか理解できない」(国内大手テレビ・メーカー)と率直な脅威を口にしている。液晶パネルは一部を除いて韓国LG.Philips LCD Co.,Ltd.から調達している。

 これまでVIZIO社は,米Costco Wholesale Corp.や米Circuit City社を販路の中心にしていた。2007年5月には小売最大手の米Wal-Mart Stores, Inc.にも販路を広げた。

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