SEDパネルに関するキヤノンと米Nano-Proprietary,Inc.の特許訴訟に,新たな動きがあった。Nano-Proprietaryの子会社である米Applied Nanotech Holdings, Inc.の発表によれば,米国の控訴裁判所が地方裁判所の判決を一部覆し,キヤノンに有利となる判決を下したという。

 今回下った判決は,2007年1月にキヤノンが東芝の全保有株を買い取って完全子会社化した「SED」について,これをキヤノンの子会社と認めるとともに,キヤノンとNano-Proprietary社の間のライセンス契約は有効であるとするもの。

 これまで地方裁判所では,キヤノンが東芝と合弁会社を設立したことなどがライセンス契約違反に当たり,Nano-Proprietary社にはキヤノンとのライセンス契約を打ち切る権利があるとの判決を下していた(Tech-On!関連記事)。キヤノンは2007年5月,この内容を不服として,控訴の手続きを取っていた。

 キヤノンは今回の件について,「Nano-Proprietary社とのライセンス契約が有効に存続するという判断については評価したい」(同社 広報部)としている。

 一方,Applied Nanotech Holdings社は「今回の判断は残念だが,我々の弁護人は訴訟における次の手段を検討している」と発表している。

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