市場ニーズを反映して製品の機能は複雑・高度化するばかり。ライフサイクルの短期化や開発コスト/リードタイムの削減要求も依然として厳しい。そのため製品企画の策定が右往左往したり,設計現場で品質の作り込みが不十分だったりといった問題が頻発するようになった。
そうした問題に対応する製品開発手法が「システム・デザイン」。アジレント・テクノロジーが,ヒューレット・パッカード時代から培ってきた手法だ。メカ,エレ,ソフトが絡み合う現代の複雑な製品開発において,機能だけでなく,使いやすさ,信頼性,保守性などの要求も明確にした上で,それをシステム,サブシステムへと落とし込んでいく。
本講座では,システム・デザインのコンサルティング経験に基づいて,その考え方と実践方法を解説してもらう。
筆者: アジレント・テクノロジー 電子計測本部 R&D プロセスコンサルティング
多田 昌人
- 連載の目次
- 第1回 動かないのはだれのせい?
- 第2回 アーキテクチャを見直せ
- 第3回 四つのモデルで要求を考える
- 第4回 品質要求「FURPS+」の使い方
- 第5回 プリンタ開発にみる顧客モデル
- 第6回 基本機能とそのほかを切り分ける
- 第7回 「製品モデル」の作り方
- 第8回 製品の構成要素と機能を示す「システムモデル」
- 第9回 構成要素の機能を明確化する「論理モデル」
- 第10回 顧客モデルからシステムモデルへ
- 第11回 論理モデルから物理モデルを展開
- 第12回 モデル展開を助けるCRCRカード
- 第13回 カードの整理・統合でモデルをブラッシュアップ
- 第14回 マトリクスでFURPS+の整合性をチェック
- 第15回 マーケットモデルの構築-市場の変化を振り返る-
- 第16回 要素技術の開発計画を立てる
- 第17回 役割を分担し責任を持つ
- 最終回 現行製品で気楽にトライ