テレビ番組や映画,音楽などのコンテンツの著作権に関連する91の権利者団体で構成する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は2009年2月24日,「『著作権法施行令の一部を改正する政令案』に対する意見」を公表した(プレスリリースPDF形式の意見)。

 今回の意見は,文化庁が2009年2月2日に公表したBlu-ray Disc録画機とその媒体を私的録画補償金の対象機器とするいわゆる「Blu-ray課金」を骨子とした著作権法施行令の改正案に関するもの。同会議は今回,家電メーカーらの業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)が,文化庁の改正案に対して2月13日に公表した意見の内容を「JEITAの意見は正しくありません」「読む者に誤った認識を与え、混乱を招く」などと強く批判し,政令改正が文化庁の原案通り施行されるべき,という同会議のこれまでの主張を繰り返している。

 JEITAは2月13日に公表した意見は,文化庁の意見募集に応じて提出した改正案への意見をWebサイト上で公表したもの。この中でJEITAは,
 1. 無料デジタル放送の録画を補償金の対象から明確に外す
 2. Blu-ray課金を暫定的な措置とするための失効規定などの追加
 3. Blu-ray Discの技術的定義として「レーザーの波長405nmとレンズ開口数0.85」という条件の追加
の三つを政令改正に盛り込むことを主張している。

 これに対して権利者会議は今回の意見で,現行の補償金制度において「録画の元となるのがアナログ放送であるかデジタル放送であるかは制度上全く関係がない」上に,Blu-ray課金の実施合意が,「デジタル放送を念頭に行われたものであることも明らか」であると主張している。

 ただしこうした主張は,文化庁の改正案公表後すぐの2月5日に権利者会議が開いた記者会見の席上で,既に述べられていた。

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