今週最も読まれた記事として取り上げたホンダの「マルチビューカメラシステム」は,自他共に認める運転下手の筆者としては,ぜひ使ってみたい製品です。ただし,本当にこれで駐車が完璧にできるようになるかといえば,一抹の不安が残るのも事実です。ホンダのシステムなどでは解決できない問題があるように感じるからです。筆者が苦手なバックでの駐車の際を思い起こすと,まずつまづくのは,ハンドルをどう切るとクルマがどっちへ進むのかがよく分からないことです。前進の際には何の問題もないのに,後ろに進むようになるだけでどうしてあれほど混乱するのか,我ながら情けないほど。肉眼で後ろを見ながらでさえこうですから,上空から見た車の動きとハンドルの切り方の対応が果たしてとれるのか,使ったことのない身からすると結構不安になります。

 もちろん,システムがドライバーに対して指示を出したり,自動的にハンドルを切ったりなど,この不安を解消する方法はいくつかあるのかもしれません。筆者が本当に心配なのは,もう一つの問題です。私が駐車を大の苦手とする最大の理由は,焦ってしまうことなのです。周りに誰もいない駐車場で,じっくり時間を掛け,何度でも繰り返しトライして駐車できるのならばいいのでしょうが,現実はそうもいきません。後続のクルマや同乗者からのプレッシャーを受けると,ただでさえ自信のないハンドルさばきが余計にぐらついても仕方ないと思いませんか。カーナビの画面でクルマの周囲を見渡せるようになったからといって,こればっかりは解決しそうにありません。むしろ,カーナビの操作に手間取ってしまうようでは,焦りは増すばかりかも。焦らずに駐車や運転ができるシステムを作って欲しいと思うのは,少し欲張りすぎでしょうか。

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