ディスプレイ技術がショッピング体験を激変させる
前回のコラムは,街中でさまざまなサービスを提供する情報キオスクと,公共スペースでのインターネット接続を提供するパブリック・コンピューティングの話でした。今回は,店舗の中に増えつつあるディスプレイ機器について書きたいと思います。リテール(小売り)市場は今後もっとも大きな変化が予想される分野です。インターネット・ショッピングによって買い物の常識がすっかり変わってしまったのと同様の変化が,デジタル・サイネージなどの普及によって“リアル店舗”にも起きようとしています。(続きを読む2008/11/04

趣旨

 屋外や店頭,交通機関など家庭以外の場所で,液晶パネルやPDPを目にする機会が急速に増えてきました。このような家の外のディスプレイを使って情報発信する「デジタル・サイネージ」が,新たな広告媒体としても,FPD応用の新しい柱としても,注目を集めています。街中で目にする看板を液晶パネルやPDPなどの電子ディスプレイに置き換えれば,コンテンツを書き換えたり,動画を流したりできるようになります。これまで普及の妨げになっていたディスプレイや通信のコストも,急速に下がってきました。

 このデジタル・サイネージに象徴されるように,ディスプレイは生活空間のあらゆる場所に組み込まれ,人々が意識せずにディスプレイを利用するようになるでしょう。家の外に限らず家の中でも,壁や窓,机など身の回りにある日常品が,必要なときにディスプレイとして機能する。ディスプレイは,そんな“ アンビエント・ディスプレイ”へ進化するという方向が見え始めています。そのようなトレンドを予感させる世界中の事例をデジタルサイネージ総研所長の坂東穣氏に紹介してもらいながら,未来のディスプレイの姿を探っていきます。(Tech-On!編集)

著者

坂東 穣(ばんどう・みのる)=デジタルサイネージ総研所長,一級建築士

京都大学工学部機械工学科および建築学科を卒業。在学中に1年間ロータリー奨学生としてイタリアのミラノ工科大学に留学。妹島和世建築設計事務所を経て独立。2004年度「JCDデザイン賞」において審査員特別賞(原研哉賞)を受賞。一級建築士。2005年よりBOOSTARS取締役としてモバイルWEB サービスの開発を主導。2007年からJAMMU代表取締役として「デジタルサイネージ総研」を立ち上げる。海外取材を軸に日本国内でのデジタル・サイネージの普及・発展のための講演・執筆・コンサルティングを行うほか,都市や建築・アートといった文化的側面からデジタル・サイネージの可能性について独自の情報発信を行っている。(デジタルサイネージ総研のウェブサイトはhttp://digitalsignage.co.jp)

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