テーマサイト「産業動向オブザーバ」の2007年記事ランキングは,上位5本中3本を知的財産権に関するものが占めた。
第1位は「再生インク・カートリッジ訴訟,なぜキヤノンが逆転勝訴したのか」。2006年1月の記事である。キヤノン製インク・カートリッジにインクを詰めなおしたリサイクル品を販売していたリサイクル・アシストをキヤノンが特許権侵害で提訴。裁判では,リサイクル・アシストの再生品においてキヤノンの特許権が消尽しているかどうかが争点になった。東京地裁ではキヤノンの敗訴となったものの知財高裁ではキヤノン逆転勝訴の判決が下された。記事はこの控訴審判決について伝えたものだが,2007年11月8日,最高裁でキヤノンの勝訴が確定したため,再び注目が集まったものと思われる。
第2位は「Samsungは逆提訴も検討,シャープが侵害を訴えた特許の価値を検証する」。2007年8月,シャープは韓国Samsung Electronics Co., Ltd.や同関連会社を特許権侵害で米地方裁判所に訴えた。記事はこの件に関して,シャープが訴状に提示した特許の引用関係から両社が係争で主張する内容などについて予測・考察したものだ。なお,この係争は現在も継続中で,日本と韓国においても争われることとなった(Tech-On!関連記事)。
第5位には,著作権の保護に関する問題を扱った「『ダウンロード違法化』がほぼ確定,録音録画に加えソフトウエアも対象に,私的録音録画小委員会で文化庁が方針を示す」が入った。記事は,文部科学大臣の諮問機関である文化審議会で,「違法録音録画物または違法サイトからの私的録音録画」を著作権法第30条で規定された「私的複製」の適用範囲からは外す方針が確定したという内容。一部ユーザーの強い反対もあり,話題を呼んでいる。
▼ 2007年「産業動向オブザーバ」記事ランキング
順位 記事タイトル 日付 1
【詳報】再生インク・カートリッジ訴訟,なぜキヤノンが逆転勝訴したのか
06/01/31 2
【続報】Samsungは逆提訴も検討,シャープが侵害を訴えた特許の価値を検証する
08/07 3
注目の北米液晶テレビ市場,シャープが米Vizio社を抜いて1位に
11/02 4
「『ケタ違い品質』は2007年に発売予定の『フィット』と『アコード』でほぼ完成形」,ホンダが取り組む品質向上
07/25 5
「ダウンロード違法化」がほぼ確定,録音録画に加えソフトウエアも対象に,私的録音録画小委員会で文化庁が方針を示す
12/18 6
世界の携帯電話機メーカー別シェア,Sony EricssonがLG Electronicsを抜いて4位に
01/26 7
【速報】ノキア・ジャパン,携帯電話機用2次電池の事故について緊急記者会見を開催
08/24 8
松下電池工業で火災,Liイオン2次電池の試験場で
09/30 9
【速報】篠田プラズマ,2008年下期に142型ディスプレイの量産開始へ
10/26 10
【インタビュー】「もう避けられない」,EUのデジカメ関税問題についてCIPAに聞く
03/19