図1 電池パックの不具合について登壇前に「お客さまに多大な迷惑をかけた」と深くお詫びするノキア・ジャパンのTyler McGee氏
図1 電池パックの不具合について登壇前に「お客さまに多大な迷惑をかけた」と深くお詫びするノキア・ジャパンのTyler McGee氏
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図2 日本での不具合についての対応を説明するTyler McGee氏
図2 日本での不具合についての対応を説明するTyler McGee氏
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図3 日本での不具合に対する対応
図3 日本での不具合に対する対応
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 フィンランドNokia社の日本法人であるノキア・ジャパンは2007年8月24日,携帯電話機向けのリチウムイオン2次電池パック「BL-5C」で発生した火災事故に関して緊急記者会見を開催した(図1,2,3)。ノキア・ジャパンはこの件を8月14日に公表し,BL-5Cの無償交換を始めている(関連記事1同2同3)。会見に登壇したノキア・ジャパン 代表取締役社長のTyler McGee氏は,今回の電池パックに関する報告書を経済産業省に本日提出したことを明らかにし,日本で起きた2件の不具合についてその発生から無償回収を発表するまでの経緯を説明した。

 同氏によると1件目の不具合は7月28日に大阪で起き,7月30日に通信事業者を介してノキア・ジャパンに報告が入ったという。翌日の7月31日,ノキア・ジャパンは1件目の不具合についてNokia社の地域管轄本部に連絡し,同日ノキア・ジャパンで調査チームを結成したとしている。その後,8月6日に1件目の不具合が火災と認定されたとの報告を受ける。

 2件目の不具合は8月7日に静岡で起き,8月8日に通信事業者を介してノキア・ジャパンに報告が入ったという。同日,2件目の不具合についてNokia社の地域統括本部に連絡するとともに,同社は2件目の不具合が起きた電池パックと端末を入手したという。

 翌日の8月9日には2件目の不具合について松下電池工業において原因調査を開始し,1件目の不具合については8月13日に開始したという。そして,8月14日にNokia社から電池パックの無償交換について「製品に関するご案内」を発表したという。

事故原因については調査中


 経済産業省に対する報告では,今回の不具合について「初期調査の結果,製造工程で稀に発生する異常によって充電中にショート,過熱することがある」としている。このようなショートは200回以上におよぶ充電の後に起こる現象である」という。

 製造工程上の何に問題があったのかについては「松下電池工業から製造工程の記録を入手しているが現段階では調査中であり,原因について内容をまだ明らかにすることはできない」(Tyler McGee氏)とした。ただ,今回の問題は「松下電池工業の電池だけの問題であり,他社製の電池パックに問題はない」との認識をあらためて示した。

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