2007年第3四半期の北米でのブランド別薄型テレビ販売ランキング
2007年第3四半期の北米でのブランド別薄型テレビ販売ランキング
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2007年第3四半期の北米でのブランド別液晶テレビ販売ランキング
2007年第3四半期の北米でのブランド別液晶テレビ販売ランキング
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2007年第3四半期の北米でのブランド別PDPテレビ販売ランキング
2007年第3四半期の北米でのブランド別PDPテレビ販売ランキング
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 米DisplaySearch社は2007年11月1日,北米市場における2007年第3四半期の薄型テレビのブランド別販売ランキングを発表した(発表資料)。第2四半期に薄型テレビ全体と液晶テレビでシェア1位に躍り出てテレビ・メーカー各社に衝撃を与えた米Vizio Inc.は,対前期比で出荷数量を増やしたものの,いずれも2位とランキングを落とした。代わって薄型テレビ全体では韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.が,液晶テレビではシャープが1位に躍り出た。PDPテレビは,第2四半期に続いて松下電器産業が1位を維持した。

 北米での液晶テレビの販売台数のシェアはシャープが11.3%,Vizio社が10.9%,Samsung社が10.7%,ソニーが9.7%,船井電機が8.1%,その他が49.3%である。上位5社はいずれも,対前期比と対前年同期比の販売台数も増やしている。全メーカーの合計でも対前期比で34%増,対前年同期比で82%と,北米での液晶テレビ市場が急激に拡大していることが分かる。特に今期は日本のメーカーの巻き返しが目立ち,シャープが対前期比で65%増,ソニーが同108%増となった。これに対して,Vizio社は同18%増にとどまっている。これは,同社の主要な販売チャネルである会員制のディスカウント・ショップがそれほど積極的な販売活動を行わない季節要因が影響しているという。

 DisplaySearch社が公表する画面サイズ別のシェアや各社のシェア変動の要因を考慮すると,ランクを落としたとはいえ,依然としてVizio社が各社の販売戦略に与える影響が非常に大きいことが分かる。シャープがシェア1位になった原動力は,対前期比で77%増となった32型未満のサイズの製品である。この部分は,需要が高い割に供給が少なかったことが功を奏している。サイズ別に見た場合に,同社のシェアが1位なのは19型,26型,52型である。

 リビング向けの需要の中心と思われるサイズでは,Vizio社が32型,37型,42型で,ソニーが40型級(40型と42型を合わせた販売数量)と46型級(46型と47型を合わせた販売数量)で,それぞれ1位だった。Vizio社は依然強い。ただし今期ソニーが販売数量を伸ばした要因に,今後の対Vizio社戦略の姿が見える。ソニーは,Wal-Martのような大手小売店での販売を想定した新製品「Mシリーズ」を投入し,これが成功し販売台数を倍増させた。Vizio社が強みを持つ市場に特化して開発した製品を投入し,強いブランド力を武器にして横綱相撲を仕掛けた格好だ。一般家庭への普及が本格化し,市場が急成長する中で,いよいよ11月第4週には天王山といえるThanksgiving Day(感謝祭)の商戦を迎える。

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