トリプル型(日経マイクロデバイス2007年4月号から)
トリプル型(日経マイクロデバイス2007年4月号から)
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 「2013年までは薄膜Siと結晶Siが両輪で進み,2013年以降は薄膜Siが主流になるだろう」(シャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏)。シャープは,記者懇談会で太陽電池事業の今後の見通しを示した。薄膜Siが主流になる理由として,「結晶Siは材料を作るのも手に入れるのも大変。そのため,結晶Siはコストが下がらない」(片山氏)点を挙げた。

 その見通しに従って,年間生産能力が1GWと大規模な薄膜Si太陽電池の新工場を大阪府堺市に建設することを決めた(Tech-On!関連記事)。工場建設を決めたのは,2007年春ごろという。決め手になったのは,「変換効率を高められるトリプル型の開発にメドが付き,さらにトリプル型を高い生産性で量産するための製造装置を実現したから」(同社 ソーラーシステム事業本部長 専務取締役 濱野稔重氏)である。

 濱野氏は「2020年までは薄膜Siで行ける」という見通しも示した。その後は色素増感型などの新しい太陽電池に期待しているようだ。日本でも量産が始まったCIGS型に関しては,「リサイクルを考えると選択しづらい」(濱野氏)とした。


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