シャープの亀山工場
シャープの亀山工場
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 2015年3月期の連結決算で最終損益が2223億円の赤字に転落したシャープ。主因は液晶パネルの主力生産拠点である三重県・亀山工場の減損処理を迫られたことだった。2000年代に「世界の亀山モデル」の液晶テレビ用パネルの生産拠点として輝いた工場は、今では同社の経営不振の象徴として厳しい視線が注がれている。

 シャープは2013年3月期にも5453億円の最終赤字に陥った。2014年3月期にいったん黒字になったものの、再び巨額の赤字に沈んだことで、同社の経営危機の深刻さが改めて浮き彫りになった。とりわけ今回、注目されたのは、同社が大幅な減資を実行することを決めたことだ。

 当初、シャープは1200億円以上ある資本金を1億円にまで減資すると報道された。だが、「(大企業なのに)中小企業としての軽減税率の適用を受けようとしている」といった点に批判が噴出。結局、シャープは5月14日の決算発表で、資本金を5億円にする方針を発表した。

 大幅減資を巡るシャープの動きにはどのような問題が潜んでいるのか──。 2015年5月18日~6月18日までの1カ月間に、日経テクノロジーオンラインの「技術経営」サイトで最も読まれた記事は「シャープ大幅減資の隠された狙い、批判気にする余裕はないはず」だった。

 同記事では、会計の視点からシャープの大幅減資を取り上げた。減資の種類や税法上の中小企業の判断基準などに触れ、同社の狙いを解説。仮に資本金が1億円に減資され、税法上の中小企業になった場合に、シャープが得られる財務負担の軽減メリットや資金繰りに与える影響がどのようなものかを分析した。

 そのうえで以下のように指摘した。