家庭用電源で電池を充電できるハイブリッド車。一般的なハイブリッド車よりも電池の容量を増やすことで,モータによる電気自動車モードで走行できる距離を長くする。長距離走行や高速走行などはエンジンとモータによるハイブリッド車モードで駆動する。

 駆動エネルギー源として,ガソリンなどに対して電気を用いる比率が高まるため,一般的なハイブリッド車に比べてCO2削減や大気汚染防止への効果が期待できる。料金の安い深夜電力を利用して充電すれば,ユーザーにとっても燃料代の低減というメリットが生まれる。

 もともと,自動車メーカーは家庭用電源からの充電が可能な車両として,ハイブリッド車の開発を進めていた。そこに登場したのが,煩わしい充電を不要にしたトヨタ自動車のプリウスだった。そしてここにきて,さらなる環境負荷低減のためにプラグイン・ハイブリッド車が再浮上している。既に非営利団体の米California Cars Initiativeなどがプリウスを改造した車両や,DaimlerChrysler社が試作車をそれぞれ発表している。

 現時点での製品化は難しいと見られている。課題となるのは,自動車に搭載する電池である。トヨタ自動車の試算によると,電気自動車モードで60km走行させるには,現行のプリウスに比べて約12倍と,トランクの体積に相当するような大量の電池が必要になる。電池体積を削減できるように,エネルギー密度の高い電池の開発が待たれる。