ハイブリッド車が米国で売れている。現在,世界で最も多くのハイブリッド車を販売するトヨタ自動車では,米国を中心とする海外市場での年間販売台数が2004年~2005年に一気に伸び,2005年は日本市場の約3倍に達する見込みだ。実際,米調査会社CNW Marketing Research,Inc.が米国で最近行った調査によると,「新車購入時にハイブリッド車も検討する」と答えた消費者が実に35%に上ったという。米Toyota Motor Sales,U.S.A.,Inc., Senior Vice President,Automotive OperationsのDon Esmond氏も「(米国の大衆車である)『CAMRY』の購入者さえもハイブリッド車への興味を増しているが,驚くべきことではない」としている。

 こうした状況は,トヨタ自動車が世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を発売した1997年当時には想像できなかった。欧米の自動車メーカーは「ハイブリッド車は究極の環境対応車である燃料電池車への中継ぎ役にすぎない」とし,ハイブリッド車ではなく燃料電池車の開発に注力したのだ。だが燃料電池車には,それから長い開発期間を経ても課題がなお山積し,製品化までにはまだ時間を要することが次第に明らかになってきた。