2008年後半。これまで主流だったNi水素2次電池に代わり,より高出力で長持ちするLiイオン2次電池を搭載したハイブリッド車がいよいよ市場に登場する――。

 トヨタ自動車やホンダ,日産自動車など大手自動車メーカーによるLiイオン2次電池利用のハイブリッド車の開発が,ここへきて大詰めを迎えている。世界的なガソリン価格の高騰から高まる一方のハイブリッド車への関心を追い風に,各社とも市場への投入時期をうかがう。2006年5月下旬に米国メリーランド州ボルチモアで開催された車載電源に関する国際カンファレンス「AABC(Advanced Automotive Battery and Ultracapacitor Conference) 2006」では,自動車メーカーや電池メーカー,そして部材メーカーがLiイオン2次電池搭載車の製品化に向けて着々と準備を進めていることが明らかになった。「2008年ころに登場する第1世代のLiイオン2次電池搭載車の開発は,ほぼ終了した」(インフォメーションテクノロジー総合研究所(IT総研)副社長の竹下秀夫氏)。「量産時における部材供給メーカーの顔ぶれも9割は決まった。あと数社が,残り少ない枠を争っているところだ」(ある化学材料メーカーの担当者)。