encryption plus non-assertion

 コンテンツを出力/記録する時には暗号化を施して著作権は保護するが,コピーに関しては数や世代の制限などを設けないという考え方。「出力保護付きコピー・フリー」となる。国内ではJEITA(電子情報技術産業協会)が,いわゆるコピー・ワンス(COG:copy one generation)に代わる地上デジタル放送の著作権保護技術として,放送業界に対して採用を提案している。

 放送波に多重するコピー制御情報の変更によって実現する。具体的には,デジタルコピー制御記述子の中で複製の世代を制御する情報である「digital_recording_control_data」の値と,コンテント利用記述子の中で出力保護の有無を制御する情報である「encryption_mode」の値を変更する。録画機に蓄積した番組を取り外し可能な記録媒体に複製を生成する場合や,IEEE1394やIPネットワークなどのデジタル・インタフェースで出力する場合には,運用規定で認められたコンテンツ保護技術を使って暗号化処理を施す。これを出力保護という。こうした運用形態にすれば,録画した番組のインターネットを使った再送信が事実上不可能なまま,複製に対する制限は大幅に緩和される。

図 JEITA提案の概要
図 JEITA提案の概要
EPNでは録画条件を制御する2ビットの情報である「digital_recording_control_data」の値を“00”とし,出力時の保護条件を制御する1ビットの情報「encryption_mode」の値を“0”とする。コピー・ワンスではdigital_recording_control_dataの値を“10”としている。(日経エレクトロニクス2006年1月16日号より抜粋)