コンテンツを1回だけコピーできる仕組みのこと。2004年4月からBS/地上デジタル放送ですべての番組に適用されている。放送された映像コンテンツを録画する行為が1回目のコピーに当たる。このため別の媒体にコピーする際には,元のコンテンツを消去して移動する「ムーブ」しか許されていない。

 コンテンツのムーブしかできないため,コピーワンスは録画機の使い勝手の低下につながるとされている。例えば,ハード・ディスク装置(HDD)に録画した番組を2枚のDVDにコピーして1枚を視聴用,もう1枚をバックアップ用と使い分けることはできない。また,録画した番組を携帯機器で視聴するために画面画素数を減らしてメモリ・カードにムーブすると,元の画質の映像は失われてしまう。このほか,ムーブの途中で作業に失敗すると,コピー先とコピー元の両方のコンテンツを失ってしまう恐れがある。

 現在,総務省の情報通信審議会が「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」の第2次中間答申の中でコピーワンスなど著作権保護の運用の見直しを提言した( Tech-On!関連記事)。2005年9月に関係者による検討の場を設け,同年内をメドに結論を出すよう求めている。