第1部<シナリオ>
HDコンテンツをのみ込み
デジタル家電の先を行く

 1981年に米IBM Corp.が「Personal Computer」(IBM5150)を発売してから四半世紀の区切りとなる2006年。パソコンが新たな巨大市場を獲得するための節目を迎える。挑戦の舞台となるのは,リビング・ルームである。インターネットやケーブルテレビ網,放送網,次世代光ディスクなどを通じて送り込まれる多種多様なコンテンツを,家族が共有する大画面テレビに表示する。

第2部<実現技術>
リビング・ルーム進出に向け
暗号化,処理性能,操作性がカギに

 家庭に流れ込むHDコンテンツの処理を一手に引き受ける「リビング・ルーム・パソコン」を広く普及させるには,主に3つの技術的な課題をクリアしなくてはならない。(1)HDコンテンツの著作権保護への対応,(2)次世代光ディスクに使われるH.264/MPEG-4 AVC(以下H.264)など,高い演算性能が必要な処理の実装,(3)コンテンツの再生や管理などの使い勝手を家電に近づける操作性の実現,である。