今週のコラムの第一位は，ファミコン開発物語の第5回でした。ひょっとして，先週のランキング紹介記事で事前予告をしたからなのでしょうか？それならばと勝手に思い立ち，来週火曜日に公開する，シリーズ最終話の予告編を披露することにしました。

　最終回の話題は，ファミコンで証券取引や馬券投票といった各種のサービスを利用できるようにする通信アダプタです。ご存じの通り，決して成功した製品ではありません。しかし，本文を読むと——我田引水ではありますが——滅法面白い。なぜなら，当時の任天堂が現在のネットワーク時代に先がけた発想で開発に取り組み，そこから学んださまが，ありありと分かるからです。開発を手掛けた上村氏曰く，「当たり前のことだが，見たい情報がなくなれば，だれも利用しなくなる」。この発言の真意は，火曜日にご確認下さい。

　前回のランキング記事では，任天堂が開発に取り組む姿勢は30年前から変わらないと書きました。しかし，その間同社が成功続きだったわけではありません。ファミコン用の通信アダプタに限らず，失敗例はいくつもあります。こうした失敗を経験に変えて，次の開発に生かせることが，同社のもう一つの強みなのでしょう。何しろ開発物語の第6回にあるように，ファミコン開発を率いた上村氏は，業務用ゲーム機で大失敗していたほどですから。

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