2013年9月24~10月21日にTech-On!のテーマサイト「クルマ」で、アクセスランキングの1位を獲得した記事は、人気コラム「和田憲一郎の一車両断!」の最新作「「Model S」、年2万台に達する実力」でした。
三菱自動車で電気自動車(EV)「i-MiEV」のプロジェクトマネージャーを務めた和田氏が今回ピックアップしたクルマは、EV開発ベンチャーの米Tesla Motors社が開発した高級セダン「Model S」。もちろん、EVです。2012年6月の発売後、販売が好調に推移し、年間2万台の販売台数をうかがう勢いを見せています。
電気自動車然としていないEV
EVで不安視する声が多い航続距離も500km(電池容量85kWhの場合)と、ガソリン車並み。安全面の配慮でも高評価。いかにもEV然としたイメージを払拭し、プレミアムなEVというカテゴリを打ち出したあたりが人気を呼んでいるようです。
和田氏が興味深いとみる点は、販売台数が増え始めた時期が発売後、半年ほど経過してからだったこと。尻上がりに販売台数を伸ばす様を、購入者の評価が高いからだと分析しています。
EVとはいえ、やはりクルマ。先進性を打ち出すために奇をてらい過ぎたり、ユーザーに我慢を強いたりするのではなく、クルマとして最高のものを目指さなければならないということでしょうか。新しい製品を開発する上で、そのさじ加減がとても難しいことは確かです。
以下のようなコメントをTech-On!読者は残しています。
イーロン・マスク自身も最高のEVを作ろうとしたのではなく、最高のセダンを作ろうとした、といった趣旨の発言をしていたように記憶している。つまり、最高のセダンを作ろうとしたら、結果的にEVになったということだ。最高のコンピュータ、最高の音楽プレーヤーを作り出そうとしていたジョブズが世界に変革をもたらしたように、最高のセダンを作ろうとしたマスクが同じく世界に新しい変革をもたらすのは必然なのかもしれない。
そのとき、日本の自動車メーカーはどうなっているか? 発売当時は高い高いと言われたiPodだが、いまでも消費者はMDで音楽を聴いているか? 自動車メーカーはいま戦略を間違ってはならないと思う」
さじ加減が難しいのは、EVと並ぶ次世代技術として注目を集める自動運転もしかり。アクセスランキングの4位と5位には、自動運転関連の記事が並びました。4位はTech-On!の三宅デスクによる解説「自動運転 ―― 事故時の責任は誰が負う」、5位は「トヨタが首都高で手離し運転、車車間通信も搭載」でした。