日経テクノロジーオンラインの電子デバイス系サイト、すなわち、「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA・ソフトウエア」「アナログ」「電子部品」「デバイス」というテーマサイトで公開した全記事のうち、2015年12月14日~1月14日にアクセス数が多かった上位20の記事を下表にまとめた。タイトルに「ソニー」が含まれる記事が3位を筆頭に全部で6本あり、同社への関心の高さが示された。

 今回のランキングで1位になったのは、元エルピーダメモリ社長の坂本幸雄氏へのインタビューを書き起こした記事である。同氏によれば、これから生き残れる半導体企業は、4つのタイプに分かれる。米Intel社や米Qualcomm社のように「強いIPを持つ会社」、TI(米Texas Instruments社)やソニーのように「独自のノウハウを持つ会社」、韓国Samsung Electronics社のように「低コストの製造技術を持つ会社」、そして台湾TSMCのように「圧倒的なキャパシティー(生産能力)を持つ会社」である。

 同氏は、「この先10年を見わたした時、日本の半導体で生き残れるのはソニーのイメージセンサーくらいではないか」という。「あとは、東芝がどう手を打つかですね」と加えた。続いてインタビューワーは、日本の半導体業界や電機業界の苦戦が続いている理由を同氏にたずねた。同氏は日本企業の社長の問題点を複数指摘した。

 まず、社長がコロコロ代わることが問題だとした。「3年単位で代わっていたら5年先、10年先を見据えた戦略を立てられるわけがない。会社の戦略なんて、5年は我慢しないと芽は出ないですよ」(同氏)。社長の選出方法にも問題があるとした。「次期社長を、現社長が指名するというやり方もおかしい。これだと社長に反発する人は、絶対に社長になれないじゃないですか。そもそも、社長を罷免するためのきちんとした仕組みも日本企業にはないですよね」(同氏)

 今回のランキングの2位は、「米Apple社がiPhoneに有機ELディスプレーを採用する」理由を分析した記事である。続いて3位になったのは、ソニーのイメージセンサー事業に関連した記事だ。業界の識者に意見を聞く「テクノ大喜利」の記事で、今回は、ソニーがイメージセンサー分野で別格の地位を築くための方策を探っている。9人の識者に意見を聞いており、3位の記事はそのまとめ記事である。

 9人の識者のうち、某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏の意見を紹介した記事が今回のランキングの6位になった。また、野村證券の和田木哲哉氏の意見の記事が10位に、テカナリエの清水洋治氏の意見の記事が16位に、微細加工研究所の湯之上 隆氏の意見の記事が17位に、慶應義塾大学の田口眞男氏の意見の記事が20位にそれぞれ入っている。