ソニーが好調である。10月29日に発表された2015年上期の連結決算では、売上高が3兆7007億円、当期純利益が1159億円を計上。一時の元気の無さが嘘のようだ。こうした好調さの原動力となっているのが、イメージセンサー事業。同事業は、今や会社全体を支える柱になった。

 ソニーは、2014年のCMOSイメージセンサー市場の4割強、スマートフォン向け市場の5割以上を占めている。技術的にも、裏面照射型センサーや積層化技術において、「他社に比べて、2~3年進んでいます」(ソニー平井社長)と豪語できる状況にある。また、応用市場の先行きも明るい。スマートフォン市場の成長はもとより、監視カメラなどIoT関連、自動運転やADAS関連、ドローンやロボット関連と未来を感じさせ、成長が期待される市場が目白押しである。

 期待の市場には強豪も多い。中国の投資グループに買収されたOmniVision社、Samsung社、ON Semiconductor社などが、M&Aや資金調達を加速し、競争力の強化に動いている。対するソニーも負けていない。2015年当初から、1050億円の投資による生産能力の増強、公募増資で得た4200億円で生産や研究開発を増強、距離画像センサー技術を持つSoftKinetic Systems社の買収、東芝からのイメージセンサー事業の買収と矢継ぎ早の施策を打ってきている。

 今回のテクノ大喜利は「ソニー、絶対的覇者への道」と題して、同社がイメージセンサー分野で別格の存在であり続けるための方策を探ることを目的とした。最初の回答者は、野村證券の和田木哲哉氏である。(記事構成は伊藤元昭)

和田木 哲哉(わだき てつや)
野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクター
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 1991年東京エレクトロンを経て、2000年に野村證券入社。アナリストとして精密機械・半導体製造装置セクター担当。2010年にInstitutional Investor誌 アナリストランキング1位、2011年 日経ヴェリタス人気アナリストランキング 精密半導体製造装置セクター 1位。著書に「爆発する太陽電池産業」(東洋経済)、「徹底解析半導体製造装置産業」(工業調査会)など

【質問1】ソニーがイメージセンサーの分野でのポジションをさらに強化するためには、どのような戦略・施策を採るべきと思いますか?
【回答】ブラックボックス戦略と高給戦略

【質問2】ソニーは、センサー事業の強みを強化するため、他部門とどのように連携していく必要があると思われますか?
【回答】ネットワークカメラでダントツ競争力を確保

【質問3】ソニーは、外部のどのような企業や研究機関と連携していく必要があると思われますか?
【回答】重要度順に、FPGA、実装、レンズ、他のセンサーメーカー。中には早急なアクションが必要なものも