オランダNXP Semiconductors社による米Freescale Semiconductor社の買収を皮切りに、米Avago Technologies社は米Broadcom社を、米Intel社は米Altera社を、米Western Digital社は米SanDisk社をそれぞれ買収――。2015年、半導体業界では買収金額が1兆円を超える大型の企業買収が相次いだ。

 中国の政府系投資会社である紫光グループがWestern Digital社に出資したり、米Micron Technology社買収計画を噂されたりするなど、「中国半導体」の存在感がグッと高まった1年でもあった。

 日本に目を向けると、国内半導体の雄、東芝が不正会計問題で揺れに揺れている。ルネサス エレクトロニクスも、足元の業績は回復基調にあるものの中長期の展望は不透明だ。

 半導体業界におけるパワーバランスの今後、さらには日本の製造業の未来を、剛腕で鳴らしたあの経営者はどう見ているのか――。元エルピーダメモリ代表取締役社長で、現在はコンサルティング会社「ウィンコンサルタント」の代表取締役を務める坂本幸雄氏に聞いた。

(聞き手は大下 淳一)

ウィンコンサルタント 代表取締役の坂本幸雄氏
ウィンコンサルタント 代表取締役の坂本幸雄氏
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