質問に応じる平井氏
質問に応じる平井氏
[画像のクリックで拡大表示]
「NGP」(画像:SCE)
「NGP」(画像:SCE)
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2011年1月27日,携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の後継機となる「Next Generation Portable(NGP)」(コードネーム)や,
Android端末向けゲーム提供サービス「PlayStation Suite(PS Suite)」を発表した(Tech-On!関連記事1同2)。この発表の翌日,報道機関向けに同社代表取締役社長 兼 グループCEOである平井一夫氏への合同インタビュー(ラウンドテーブル)が開催された。以下,一問一答形式で質疑応答の概要を記す。今回はNGPのハードウエアに関する話題を中心に掲載する。

――なぜ,(任天堂の3DSのような)3D立体視表示に対応しなかったのか(Tech-On!関連記事3)。

平井氏:ソニーはグループ全体で,3Dに注力している。SCEとしても,PS3で,3D立体視のゲームに対応している(Tech-On!関連記事4)。対応ゲーム・ソフトも次々と出ている。

 だが,NGPについては,携帯ゲーム機における3D表示の必要性や,目指すゲームの世界観,そしてコストなどを考慮した上で,あえて採用しないと決めた。3D(の立体視)によって,ゲームへの没入感が高まるという考えもある。しかし,今回は別の方法で没入感を高めたいと思った。   

 一方,PS3のような据置型ゲーム機では,固定したテレビの前に座って3D(立体視)の世界を楽しむので,高い没入感を得られると考えている。

――有機ELパネルなどの部材の調達について教えて欲しい。

平井氏:何が何でもソニー・グループ内で調達する,というわけではない。コストや性能,供給能力を考慮して,ソニー・グループや外部を含めて,調達先を検討して決めていく。何より,よい商品をユーザーに届けることを念頭に置いている。

 有機ELディスプレイに関しても,どこの企業で,かつ何社から調達するのかは,まだ決定していない。(あえて言わないのではなく),本当に決まっていないから言わないだけだ。

――3G回線の通信機能を搭載しながら,なぜ,通話機能がないのか。

平井氏: この点もさんざん議論したが,「エンターテインメント」に軸を置くと,音声機能を付ける必要がないとの結論に至った。今回の形状で,通話するのは難しい。だからといって,通話のために形状を変えたり,通話用のアクセサリー(付属品)を付けたりしたくなかった。だから,あえて音声通話の機能を入れなかった。