アクセス記事ランキング(10/1~10/22)
クルマ
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「“ストロングHEV”がなくとも(2021年規制を)達成できそう」

 これは、ドイツVolkswagen社の技術者の言葉だ。「『HEVパッシング』の欧州メーカー」という記事で紹介されている。

 実は同記事、日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「クルマ」において今回(2014年10月1~22日)のアクセスランキングで2位に入ったものだ。

 ストロングHEVといえば、トヨタの「プリウス」などに代表されるエンジンとモーターを効率の高い出力配分で使い分けながら走行するハイブリッド車のこと。日本では、環境先進車の代表格と見なされている。そうしたストロングHEVがなぜ欧州では要らないのか--。このような疑問が多くの読者を引き付けたのかもしれない。

懸念は中国市場への波及

 同記事によれば、欧州では、2020年に開始を予定していた「CO2排出量を95g以下にする規制」を2021年に先延ばしにする模様。その結果、既存の内燃機関を改良した上で、過給器と組み合わせた“ダウンサイジングエンジン”や、エネルギー回生機構(電源電圧の48V化システムを含む)などを採用することで、同規制を乗り切れる見通しが立ったとしている。そして、その表れが冒頭の某技術者の発言。それを裏付けるかのように、2014年10月に開催された「パリモーターショー2014」では、ストロングHEVではなく、プラグインハイブリッド車(PHEV)を、欧州のカーメーカーはこぞって出展したという。

 PHEVとは、モータだけで走行する電気自動車モードを強化したハイブリッド車である。エンジンとモーターをストロングHEVのようにきめ細かく使い分ける必要性は必ずしもないため、電気自動車に近いシンプルな構成にすることが可能。実際、欧州メーカーがパリモーターショー2014に出展したPHEVは、そうしたシンプルなものだったという。

 個人的にこの記事の中で最も興味深かったのは、「ストロングHEVをパスしてPHEVにいく」という欧州メーカーの動きが、世界最大の中国市場にも波及するかもしれないという筆者の見方だ。「中国市場では欧州系メーカーと米系メーカーが強く、欧州市場の動向が反映されやすい環境にあります。これまで“ストロングHEV”で販売台数を伸ばしてきた日系メーカーにとって、中国におけるHEVの動向は今後の大きなリスクと言えるかもしれません」と筆者は指摘している。

 ストロングHEVは、日本が世界をリードする期待の先進技術だ。それが、「ガラケー」の二の舞とならないように切に願っている。