VW社「Passat GTE」
VW社「Passat GTE」
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 今月開催された「パリモーターショー2014」で、欧州メーカー各社がこぞって出展していたのがプラグインハイブリッド車(PHEV)です。例えばドイツVolkswagen社は「Passat GTE」を発表。「ジュネーブモーターショー2014」で披露した「Golf GTE」に続くPHEVです。ドイツPorsche社は「Cayenne S E-Hybrid」、フランスPeugeot社は「Quartz」、イタリアLamborghini社は「Asterion LPI 910-4」と、PHEVが盛りだくさんでした。

 これらの車両のEV(電気自動車)航続距離は30~50km。日常の買い物での移動には実質的にEVとして使えることをセールスポイントに据えます。搭載する駆動用モーターは1個の車両と2個の車両がありますが、2個使う場合でも車両の前後輪に一つずつ置く形で、モーター2個と遊星歯車を組み合わせるトヨタ自動車式の“ストロングHEV”に比べるとシンプル。どちらかと言えば、EVに近い構成です。

 欧州メーカーはこれまで、1モーター式の簡易な“マイルドHEV”を開発していました。私はその後、“ストロングHEV”を経て、PHEV、EVまたはFCV(燃料電池車)などへと電動車両を進化させると考えていたのですが、今回の展示会を見ると、どうやら“ストロングHEV”の過程を飛び越えて一気にPHEVに行きたいように映りました。PHEVの発表に力を注いだ一方、HEVの発表がほとんどなかったためです。