テーマサイト「産業機器・部材」における今回(期間:2013年7月19日~8月22日)のアクセスランキングでは、材料関連の記事が注目を集めた。
独創的な発想と意外性が読者を引き付ける?
その1つが、2位の「ヘンケルジャパン、固着したボルトやナットを凍結・収縮させて外すスプレーを発売」という記事である。これは、タイトル通り、さびや腐食で固着したボルト・ナットなどを取り外しやすくするスプレー潤滑剤に関する記事だ。
固着部分を瞬間的に-43℃で凍結させ、その際に生じる収縮によってすき間をつくり、そこへさらに潤滑剤を浸透させるというアイデア商品。これまでは、ボルトやナットが固着した場合、焼き切るぐらいしか方法がなかったが、同商品を使うと固着の中心部にスプレーするだけで済む。固着部を凍結・収縮させるという独創的な発想とその意外性が読者を引き付けたと思われる。
バイオプラは持続可能社会への重要技術
材料関連の記事としてもう1つ注目を集めたのが、3位の「バイオプラスチック(バイオプラ)」である。バイオプラとは、原料(あるいはその一部)に再生可能な生物資源(バイオマス)を使った樹脂のこと。いずれは枯渇する化石資源を使った従来樹脂とは異なり、持続可能社会の構築に貢献できる。同記事では、そうしたバイオプラにおいて、この1~2年で新樹脂の開発や物性の改善、供給体制の整備が進み、徐々に適用範囲が広がってきていることを紹介。さらに、食品/飲料/トイレタリー向けの容器などに利用されることが増えてきており、これによって量産がさらに進めば、バイオプラの低コスト化につながることを紹介している。
一般に、材料の研究・開発には長い歳月を要すると言われる。事実、化石資源を原料とする従来樹脂も100年を優に超える長い歳月をかけて進化し現在に至っている。バイオプラは、そうした従来樹脂に比べるとまだ歴史が浅い。だが、短い歳月の中で、着実に進化を遂げている。化石資源が枯渇すれば、それを原料とする従来樹脂は新たには造れなくなる。そのとき困らないためにも、今からバイオプラを開発し、それを使い、バイオプラの製造・活用に関するノウハウを蓄積していく必要がある。そうした意味で、バイオプラの動向に関心を持つ読者が多かったのかもしれない。
ちなみに、この記事は、これまでTech-On!で紹介してきたバイオプラ関連の記事の中から代表的なものを集めたリンク集にもなっている。