スマート社会を実現するエネルギー技術の情報をお届けする「エネルギー」サイトに投稿の全記事を対象に、直近4週間(2013年4月15日~5月19日)でアクセス数が多かった20本を紹介する。今回のランキングの上位には、太陽電池に関連した記事が並んだ。
その中で1位になったのが、シャープが化合物3接合型太陽電池で変換効率37.9%を達成したことを報じた記事である。同社は2011年11月に同様の構造の太陽電池セルで変換効率36.9%を達成している(Tech-On!関連記事)。今回、効率をさらに1ポイント高めて、世界最高記録を自ら更新した。シャープの化合物3接合型太陽電池は、InGaAs(インジウムガリウムヒ素)をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する。今回は、ボトム層を形成するInとGaとAsの組成比を最適化することで、太陽光の波長に合わせてより効率的に光を吸収できるようにしたという。
よく読まれた2位は、太陽電池の世界市場における地域別の傾向を分析した記事である。記事によれば、2013年の太陽電池の地域別導入量で、日本は中国に次ぐ世界2位の市場になるとの予測が、複数の調査会社から発表になっている。この「日本急成長説」は、2012年7月に日本で固定価格買い取り制度が始まり、数GW以上の大規模プロジェクトの設備認定が急増したことが背景にあるという。
太陽電池関連記事は4位にも入っている。同分野をカバーしている日経エレクトロニクスの記者が、(太陽電池用パワー・コンディショナに関して綴った、コラム「Editor's Note」の記事)である。2012年末以降、このパワー・コンディショナが極度の品不足に陥っているが、そうなる前までの道のりは決して平坦ではなかったという。2005年に補助金が打ち切りになり、苦しい時代が続いた。その後、2009年に余剰電力買い取り制度が、2012年に固定価格買い取り制度が始まり、息を吹き返すことができたとのことである。
太陽電池関連以外で、上位に食い込んだのが、スマート・メーター関連の記事である。具体的には、東芝が東京電力からスマートメータ用通信システムを受注したことを報じた記事が、今回の3位になった。東京電力は、今後10年以内に2700万世帯にスマートメータを導入する計画。これに向けて、システムの基盤となる通信方式および通信機器・通信ネットワーク・システムの仕様と調達先を決定した。東芝は、システム・インテグレータとしてシステム構築全般を担当するとともに、ヘッドエンド・システム、集約装置およびスマートメータ通信部を納入する。
また、6位には、スマート・コミュニティ関連記事が入った。富士通と会津若松市、東北電力の3者が、福島県会津若松地域のスマート・コミュニティ導入促進事業に着手することを報じた記事である。「エネルギーコントロールセンター」を設置し、(1)再生可能エネルギーによる発電状況の可視化や同エネルギー関連設備の状態管理、(2)バイオマス発電による熱供給モデルの構築、(3)太陽光発電/蓄電池の導入促進などを担う。